米軍震撼させた「中国の極超音速ミサイル」の性能 その衝撃はスプートニク・ショックに匹敵
2014年以降、極超音速滑空体の実験を繰り返してきた中国は、すでに「DF-17(東風17)」と呼ばれる中距離ミサイルを実戦配備している。極超音速滑空体を搭載できるミサイルで、今では中国の軍事パレードに欠かせない存在になっている。
だが今回の実験は、アメリカ国防総省にさらなる動揺をもたらしたようだ。中国は、台湾の防空識別圏内に戦闘機などを侵入させ、長距離核ミサイル用に新たな地下格納庫を何百と建設しているうえ、対衛星兵器用を配備し、ほかのどの国よりも高い頻度でロケットを宇宙に打ち上げており、国防総省は懸念を強めている。
アメリカも「極超音速ミサイル」を開発中
27日の記者会見でカービー氏は、中国の行動とその意図は近く完了する国防戦略の見直しに「織り込まれる」ことになると述べた。バイデン政権が目下進めている「核態勢の見直し(ニュークリアー・ポスチャー・レビュー=NPR)」においても考慮の対象になるとみられる。NPRの報告書は通常、新大統領の就任から1年程度で公表される。
カービー氏は「われわれが独自に追求している極超音速攻撃能力は具体的かつ本物だ。そうした攻撃能力の開発を間違いなく進めている」とし、アメリカも中国と同様の兵器開発で競争を繰り広げていると明言。「ただ、実験や今後の方向性といった詳細に立ち入ることはしない」と述べた。
カービー氏の発言には、中国の実験をスプートニク・ショックにたとえることにクギを刺す狙いがあったようだ。その数時間前に、ミリー氏がそうした表現を持ち出していた。
カービー氏は「この技術進歩に特色をつけてレッテルを貼ることは、われわれに何のメリットももたらさないと考えている」とコメントした。
(執筆:David E. Sanger記者、William J. Broad記者)
(C)2021 The New York Times Company
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