ワールドカップで50型級大画面テレビが激売れの中国、その意外なワケは…
新京報ではまた「韓国LGなど外資系の大画面液晶テレビの値が下がり、42インチの薄型テレビが4500元まで値下がりした。これは中国地場メーカーの同サイズの薄型テレビの価格に匹敵する」と報道する。
とはいえ、中国在住の筆者の皮膚感覚でいえば、3000元をわずかに切る32インチ液晶テレビがお買い得であり、いくら高所得な地域である北京上海でも4500元という価格はおいそれと出せる額ではない。前回のワールドカップ・ドイツ大会の時や北京オリンピックの時には大画面テレビに消費者は動かず期待は空回りした。
今回のワールドカップ開催で、中国都市部の消費者が豹変して大画面薄型テレビの消費に走ったわけではない。
実はバーやカラオケやショッピングセンターなどが、顧客を呼び込むため、大量に買い込んだのである。特にバーでのニーズは非常に高く、1日で8件のバーから合計20台以上受注したというニュースや、ワールドカップ開催後、店のオーナーが65インチテレビを2台購入したというニュースもある。商用プロジェクターも北京で300台以上売れたという。
北京の三里屯しかり上海の新天地しかり、また内陸の省都クラスの地方都市でも、バーなどのナイトスポットは狭い地域に密集しており、すなわち競争が激しい。具体的には北京では300~400件のバーがあるという。
ワールドカップを、一体感のある空間で飲んだくれつつ観戦を満喫したいというニーズがあがれば、ないしは、どこかの店が先行して観戦環境を整えれば、われもわれもと大画面テレビを導入するのもうなずける。