衆院選後に日経平均上昇のカギを握るものは何か 11月第1週で「今年度後半の株価」が決まる
第1回目の提言でもあり、大きな期待はできないかもしれないが、市場は先行きに希望を持たせるものであってほしいと思っている。間違ってもアベノミクス新3本の矢のような結果になってほしくない。
何も、希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障という新3本の矢が間違っているというのではない。この政策はすばらしい政策だ。同じような提言になってもいいと思っている。もし、それを実行するエンジンにこの会議がなってくれたら、株価は一気に上値トライとなるはずだ。
選挙後の株価の行方はアメリカがカギを握る
今回は総選挙の翌日の配信ということもあり、政治の話が前面に出て違うトーンになってしまった。話を元に戻そう。
今週(11月1日~5日)の予定を見ると、FOMC(連邦公開市場委員会、2~3日)と10月雇用統計の結果発表が重なる「アメリカの週」だとわかる。通常、雇用統計は月の第1週、FOMCは月の中旬か下旬になるが、FOMCの10月開催はなく、11月2~3日になっているため、重要イベントが同じ週に並ぶことになった。
先週も日本銀行の金融政策決定会合とECB(欧州中央銀行)理事会の結果発表がそろって10月28日にあった。日銀金融政策決定会合の結果は、予想どおり「現行の長短金利操作(イールドカーブコントロール)付き量的質的金融緩和政策」の継続だった。
また10月の「展望リポート」では、2021年度の成長率見通しを前回7月の前年度比プラス3.8%からプラス3.4%に引き下げた。それでも国内経済の現状判断は「感染症の影響で引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」として、9月の判断を据え置いた。黒田東彦総裁は、現在の水準は日本経済にとってプラスになっており、「悪い円安ではない」との認識を示した。
一方、ECB理事会の結果も、各種金利は据え置かれ、クリスティーヌ・ラガルド総裁は会見で「インフレ圧力は2022年には緩和するはず」とし、「PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)購入縮小はテーパリングではない」という見解で、早期の利上げも否定した。
さらに、同じく同月28日に発表されたアメリカの7〜9月期GDP速報値は、4~6月期の前期比年率+6.7%から大きくダウンして+2.0%となったが、これに対する市場の反応は、S&P500指数とナスダックの史上最高更新だった。
さて、これらを受けてFOMCはどう出るか。筆者は面白い展開になってきたと考えている。日本の「選挙後相場」と相まって、「2021年度後半の株式市場を決定づける週」といえよう。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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