「介護で地獄を見る人」「成功する人」の決定的な差 誤った知識と深すぎる愛情が老後の幸せを奪う
そして、もう1つは、リハビリ・積極的な機能訓練を行うことです。
高齢になると、数日でも身体を動かさないと、驚くほど身体が弱っていきます。われわれの中では、「入院やショートステイから戻ってきたときは気をつけろ」という暗黙の合い言葉があります。なぜなら、その2つで身体機能がガクッと落ちるからです。1週間以上、病院やショートステイ先で満足に身体を動かさないと、筋力を元に戻すまでには、かなりの時間と根気が必要になってきます。
通常、身体機能を戻すまでに、休んだ日数の1.5~3倍かかるといわれています。
だからこそ、病院やショートステイ先から帰ってきてからが勝負。「退院したばかりだから体調を整えてから身体を動かします」という言葉を、うちのご利用者さまからもよく聞きますが、ここで身体を動かすことを怠ると、身体機能が加速度的に衰えていってしまいます。
病院や慣れないショートステイ先から、久々にわが家に帰ってきたのだからと、のんびりさせてしまうと、取り返しのつかないことになる可能性が高いです。
その1週間+αが原因で、身体機能が衰弱したために、在宅での介護が困難になり、介護保険施設に入所されてしまう方を何人も見てきました。
別に、病院やショートステイに行かなくても、日常から身体を動かさないと、同じように、どんどんと身体機能は衰え、取り返しがつかなくなってしまうのです。
リハビリと聞くと、病気やケガをした人がするものというイメージを抱くかもしれませんが、それは大きな間違いです。リハビリとは、身体的、精神的、社会的に最も適した生活水準を維持するために行う身体訓練のことです。
専門職、施設任せが危ない理由
これらは、介護保険を使って、リハビリをすることを目的としている通所介護施設デイケア(通所リハビリテーション)やわれわれのようなリハビリを専門としているデイサービスなどで受けられます。しかし、介護のプランニングをするケアマネジャーでも、リハビリの重要性を知らない方が多いのです。
さらにいえば、リハビリをやっているといっても、形だけの施設も多くあります。少なくとも1回1時間以上のリハビリ(機能訓練)を行っているところ、PT(理学療法士)などのセラピストがしっかりいるところという2点は押さえておいてください。そのような施設が近くにない場合は、次善の策として、運動系の機能訓練に力を入れていて、外部の医療系(デイケアなど)のPTと連携をしているデイサービスを利用することを考えてもいいでしょう。
もちろんリハビリの重要性を理解してくれているケアマネジャーさんも増えていますが、重要性もわからず、リハビリ専門職の意見を求めるわけでもなく、プランを練り直すのを先延ばしにしたり、リハビリなんて不要と断じたり、専門的な知識がないにもかかわらず「チェックリストで確認してリハビリの必要なしと出た」と言ったり、「わたしのケアプランにケチをつけるのか」と怒ったりする方も少なからずいます。
だからこそ、専門職の人任せにするのは、得策ではありません。ケアマネジャーは、何度変えても構いません。まずは、身体機能の維持を考えているケアマネジャーを選び、適切な介護で、「寝たきり」を防止し、正しい介護によって老後の幸せを手に入れてほしいと切に願います。
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