あなたに「数字を正確に使う力」あるかわかる質問 数字はきちんと使えなければ意味がない
数字音痴や話下手…苦手では済まされない
私は、2008年に書いた『一流アナリストの「7つ道具」』という本で、7つ道具の話をしました。次に出した『フェルドマン式知的生産術』では、もう1つの道具を加え、8つの道具としました。それらは「分析力、人間力、プレゼン力、数字力、熱意、言語力、商売力、結合力」です。
これらは単にポイントを列挙しただけのものではありません。その相互関係は足し算ではなく、掛け算なのです。つまり、1つの「道具=スキル」がいくら強くても、ほかのスキルがゼロであれば、総合力はゼロということです。
例えば、いくら分析力があっても、人間力がなければ総合力は上がりません。「8つの道具」は掛け算の関係である以上、不都合なことがあります。すなわち、自分の最も弱いスキルを磨かないと総合力が上がらない、ということです。
ここで、8つの道具のうち、2つについて例を挙げて考えてみましょう。まずは、「数字力」です。「真理値表」というものがあります。下図を見てください。縦軸と横軸があります。横軸は、ある検査の結果が陽性か陰性かを示し、縦軸は、実際に病気か健康かを示しています。例えば、がん検査を受けた結果、陽性だとします。本当にがんになっている確率はどれくらいでしょうか。ちょっと計算しましょう。
陽性で病気にかかっている人の数はaです。陰性で病気にかかっている人の数はb、陰性で健康な人はc、陽性で健康な人はdです。そうすると、「あなたは陽性です」と言われたら、病気である確率はどれくらいでしょうか。陽性であるということは、aかdかです。 「aは、a+dのうち何%か」という計算です。