そろそろ金を買ってもいい時期が近づいている 徐々に固まる下値、「売り材料」の出尽くしも
金価格の先行きを考える前に、まずは少し時計の針を前に戻しておさらいをしておこう。
9月21日、22日に開かれたアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)は、意外にタカ派的な内容となった。金融政策に関しては変更なし、テーパリング(資産買い入れ額の縮小)の開始決定も見送られたものの、これは予想の範囲内だった。
一方で声明文では最大限の雇用と物価安定の目標に向けて、経済の進展が見られていることを改めて指摘。今後も想定どおりに進むなら、間もなく購入ペースを緩めることが正当化されるとの見方が示された。テーパリングの具体的な言及はなかったものの、声明文にテーパリングの開始時期に関しての記述が盛り込まれたのは今回が初めてであり、市場では次回11月2~3日のFOMCで正式に決定されるとの見方が一気に強まった。
FRBの「利上げのペースが速まる」との見方が大勢に
それよりも衝撃的だったのは、同時に発表されたドット・チャートと呼ばれるFRB(連邦準備制度理事会)理事と地区連銀総裁による政策金利予想で、早期利上げを予想する高官の数が増加したことだろう。
6月の発表時には、2022年に少なくとも1回の利上げがあるとの見通しを示した高官は18人中7名だった。だが、9月時では2名増えて9名、ちょうど半数の高官が来年の利上げを予想。さらに2023年に利上げが行われているとの予想は6月の13名から17名と、ほとんどの高官が利上げを予想した。9月開催時に初めて発表された2024年の見通しでは、18名全員が利上げを見通しているという結果となっている。
利上げのペースもかなり速くなるとみられている。高官の半数の9名は2023年には政策金利であるFF金利の誘導目標が1%超と予想。つまり1回の利上げで0.25%の利上げを行うとして、計4回の利上げが行われているとの見方を示している。さらに2024年にも4回の利上げがあり、政策金利が2%を超えているとの見方を示した高官も8名に上った。インフレ圧力が一段と強まる中で、かなり速いペースで金利を引き上げる必要があるという考え方が強まった。
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