急落した金価格は今後もさらに下落するのか 下落から反転するタイミングはいつになるのか
金相場が、一気に下落基調を強めてきた。
国際指標となるNY(ニューヨーク)の金先物価格は、6月15~16日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)後に急落したものの、最近はどちらかというと立ち直りを見せていた。
アメリカの雇用統計で「暗雲」、再び急落
6月の声明と同時に発表された連銀高官の政策金利見通し(ドットチャート)で、利上げ時期の大幅前倒しの可能性が示されたことで金への売りが加速。一時は1トロイオンス=1800ドル台半ばから1700ドル台半ばまで急落した。だが、7月に入るとアメリカの長期金利が低下に転じたことを好感する形で買いが集まり、1800ドル台をあっさりと回復していたからだ。
そこから1カ月以上、1800ドルの節目をやや上回ったあたりを中心としたレンジ内でのモミ合いが続いていたのだが、8月6日に発表された7月のアメリカ雇用統計の結果で事情は変わった。非農業部門の雇用数が前月比94.3万人と、予想を上回る伸びとなったうえ、失業率も5.4%と、新型コロナウイルスショック後の最低を更新したことで、金売りが加速。9日には一時1700ドルの節目を大きく割り込むまで値を崩すという、「衝撃の展開」となった。
金相場はこのままさらに大きく値を切り下げてしまうのだろうか。ここでは足元の状況を改めて分析したうえでで、再び「輝き」を取り戻すことができるのか、可能性を探ってみたい。
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