数十万の投資セミナー受講を迷う人に欠けた視点 「儲かる方法を知りたい」という甘い考えはNGだ

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セミナーによっては一定期間内であれば、内容に不満があれば支払った金額の一部、または全額を返金してくれる場合もあるようだが、投資で損が出てしまえば全体としては大事なお金が減ってしまったという事実に変わりはない。

冷たいことを言うようだが、どのようなセミナーに参加するかを決めるのも自己責任なのだ。

金融機関をうまく活用するのもアリ

「絶対に勝てる投資法」や「必ず上がる銘柄」が存在しないのであれば、それ以外に習う内容は本屋に売っている書籍に書いてある一般論だろう。そう考えると、わざわざ高額な費用を払わずに入門書を1~2冊買って少し知識を付けたあとに、小額から実践してしまったほうが早いし効果的であると考える。

それでも、独学ではなく誰かから教わりたい。文字で学ぶより、講義を聴いたほうが理解しやすい。そういう方も多いだろう。その場合、1つの案として(ネット)証券会社や銀行など金融機関が開催している初心者・未経験者向けセミナーや、経験者向けの少しマニアックなセミナーに参加するという手もある。

金融機関が開催しているセミナーは基本的に無料であることが多く、講師の質もある程度は担保されている。金融機関は外部から呼んできた講師が詐欺に加担している人や反社会的勢力のような人間であれば、自社にも大きなリスクとなるため、しっかりとバックグラウンドを調査している。

当然、金融機関がセミナーを開催するのにも理由があり、ましてや無料であるのなら非常に恐ろしい目的があるのかもしれないと思う方もいるだろう。

金融機関は新規の顧客が欲しいわけだから、セミナー後にアンケートを基に個人情報を集め、口座開設や商品の案内をしてくるかもしれない。だが、このご時世、想像しているようなしつこい営業をしてきて大変だったという話はあまり聞かない。

なお、日本取引所グループや日本証券業協会などでも無料のセミナーを開催していることもあるので、まずはそういうものに参加してみるのも手かもしれない。

高額投資セミナーに否定的なスタンスで書いてきてしまったが、すべては自己責任である。自分がそれだけのお金を払う価値があると思うのであれば、それでもいいだろう。しかし、セミナーに参加したから必ず資産が増える、儲かる方法を教えてもらえるという甘い考え方が少しでもあるのなら、改めて落ち着いて考え直す時間を設けてほしいと思う。

森永 康平 マネネCEO/経済アナリスト

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もりなが こうへい / Kohei Morinaga

証券会社や運用会社にてアナリスト、エコノミストとしてリサーチ業務に従事した後、複数金融機関にて外国株式事業やラップ運用事業を立ち上げる。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、各法人のCEOおよび取締役を歴任。現在は法律事務所の顧問や、複数のベンチャー企業のCFOも兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。株式会社マネネTwitter

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