そもそも、なぜセミナーの費用が数十万円と高額なのか。その理由をシンプルに考えてみよう。昨今はオンラインでの開催もあるようだが、高額のセミナーはいまだに会場で行われることが多い。
その場合、講師や運営スタッフの人件費や会場代などを払ったうえで、それでも利益が出るようにしないとビジネスにはならない。ボランティアでやっている訳ではないのだから、利益が出るように運営すること自体は責められるべき話ではない。
先程の③や④のケースだと受講者の参加費用だけで十分利益が出ると考えられるが、①や②のようにカリキュラムや教科書があり、しっかりと講師が授業を数カ月担当してくれて、さらには教室までもが用意されている場合だと、規模にもよるが、仮に1人から数十万円を払ってもらっても利益が出ないかごくわずかということもあるだろう。
そこで、実際に①や②のケースの受講者に話を聞いてみると、カリキュラムの前半では資産運用の基本的な話などを習うだけだが、後半から不動産投資やFXの話が多くなり、興味があれば、ということで業者を紹介されることもあるようだ。
セミナー主催者と不動産投資やFXの業者の間でどのような契約があるのかはわからないが、仮に顧客を紹介することや、紹介者が取引をすることで一部の収入がキックバックされているのであれば、ビジネスとして十分に成り立つのかもしれない。
投資の大原則を胸に刻むべし
セミナーで教えてくれる内容は千差万別だと思うが、どのような投資スタイルを選ぶにせよ共通して覚えておくべき大原則が2つある。1つは「将来のことは誰も正確に予測できない」ということだ。
セミナーによっては「絶対に勝てる投資法」や「必ず上がる銘柄」を教えてくれるそうだが、その時点で果てしなく危ない講座と考えていいだろう。
過去に「なぜ絶対に儲かる方法を知っているのにセミナーを開催するのか?」と主催者に質問をした方がいるのだが、その時の答えは「全員で豊かになりたい」や「投資以外にも安定的な収入源が欲しい」といういまいち理解しがたい回答だったという。
2つ目は「投資は自己責任」ということだ。誤っていたり、極端に偏ったりした情報を提供されて誤解をしたまま投資をしてしまって損が出たとしても、最終的には投資をするという判断をした本人が悪いのだ。セミナーの内容が低レベルなものだったとしても、それを参考に投資をしてしまったのであれば最終的な責任は自分に返ってくる。
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