スタバ「労働組合」組織への超威圧的な対抗策 本部幹部らを大量に店舗へ送って「監視」?

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また、スターバックスは、従業員は複数店舗にまたがって勤務する場合もあるからという理由で、個々の店舗単位ではなく、20あるバッファロー地域の店舗すべてがまとまって投票に参加する方式をとるよう、NLRBに働きかけている(通常、組合を組織しようとする側は、より小さい単位で投票する方式を好むが、これはそのほうが少なくとも一部の場所で地盤を築く可能性が高くなるためである)。NLRBは、この件を決定したうえで、数週間内に投票日を設定する見通しだ。

だが、労働法の専門家によれば、この組合運動に際してスターバックスがとった措置の一部は、異例のものであった。「人員を大幅に増やしたり、店舗を閉鎖したりといった方法は、普通は見られない」。セント・ルイス大学の法律学の教授で、かつて労働委員会の弁護士を務めたマシュー・ボディは語る。

大量の従業員がいるスタバの店舗

従業員が組合投票の申請をした、空港近くのとあるスターバックスの店舗を訪れたところ、カウンターの後ろには少なくとも9人のバリスタが確認できたが、客の数はほんの一握りであった。

「本当にばかげている」と、長年スターバックスで勤務し、この店舗で組合運動を率いるアレクシス・リッゾは話す。「裏に行ってミルクを取ってこようとするだけで、まるで障害物競走のように、本来そこにいる必要のない人たちの間を縫って進まなければならないんだから」。

リッゾによると、同時に店舗にいる従業員の数は10人以上に達しており、投票申請以前から勤務している人々は、数の上で圧倒され、士気をくじかれたように感じている。「威圧的に感じる」と、彼女は言う。「出勤すると、たった1人で見知らぬ10人と一緒に働かなければならない」。

スターバックスは、この人員の追加は病欠が増えたことに対応するものだとしている。

この空港近くの店舗に追加で派遣された従業員の一部は、最近になって研修施設へと配置転換させられ、そこには近隣の店舗から応援が来ている。その店では申請中の投票はないが、多くのスタッフが組合運動への支持を約束しており、中には見放されたように感じて動揺している人もいる。

「最初は、私たちの店もいったん仕切り直しをするのだと思われた」と、研修施設へと転換させられた店舗の従業員で、組合運動に賛成するコリン・コクランは話す。彼はそれ以来、ほぼずっと他店に派遣されている。「しかし、状況は長引き、私たちはほかの店へたらい回しにされている。本当にいら立たしい。早く店の仲間と会いたい」。

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