スタバ「労働組合」組織への超威圧的な対抗策 本部幹部らを大量に店舗へ送って「監視」?

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9000近くあるスターバックスが直接経営する店舗のうち、組合が組織されているところは1つもない。組合を作れるという可能性は、さまざまな業種でストライキが起きるなど、最近の全国的な労働運動の高まりを反映して出てきたものだと思われる。

全米労働関係委員会(NLRB)によると、組合の投票は「実験室条件」下で、すなわち労働者が威圧とは無縁の環境で票を投じることができ、投票の過程が雇用主の干渉を受けない状況で行われなければならない。NLRBの元職員は、一連のスターバックス側の行動により、もし組合側が負けた場合、上記の条件を満たしていないという理由で投票結果が無効になる可能性もあると話す。

「このような行動が積み重なって大きな流れとなり、人々の気力をくじいたり、行動を阻止するという結果になりかねない」と、オバマ政権下でNLRBの議長を務めたウィルマ・リーブマンは話す。

最近、同様の理由でNLRBが、アラバマ州にあるアマゾンの倉庫での投票結果を破棄するよう勧告した例があるが、ボーゲスによれば、スターバックスは投票結果を無効にするに足るいかなる行動もとっていないと確信している。

過去にも組合組織化の動きがあった

スターバックスは過去にも、2000年代初頭のニューヨーク市や、2019年のフィラデルフィアなどで組合運動に直面している。後者の例では、組合を組織しようとした従業員2人を解雇したことが、NLRBの判事により違法とされた。スターバックスはこれを不服として上訴している。

国内での組合運動は今のところ成功していないが、最近になって、カナダではスターバックスが所有する1店舗と、スターバックスとライセンス契約を結んだ企業が所有する複数の店舗で組合が組織された。

バッファローの店舗では、組合の支持者たちは巨大な組合「国際サービス従業員労働組合」の系列組織である「ワーカーズ・ユナイテッド」に加わろうとしていたが、これに対してスターバックスが講じた措置の多くは、雇用主がこのような場合にとる典型的なものであった。例えば、従業員との会合を開き、幹部社員が、第三者を代理人として立てる必要性があるのかと問いただすといった方策である。

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