スタバ「労働組合」組織への超威圧的な対抗策 本部幹部らを大量に店舗へ送って「監視」?
ミッシェル・アイゼンは、スターバックスで働いている10年以上の間に、それなりの職場のストレスを経験してきたと話す。彼女が例としてあげるのは、上がり続ける生産性の目標や、研修の不十分さ、人手不足の期間があることや、人の入れ替わりが激しいことなどだ。
だが、アイゼンの店舗とニューヨーク州バッファロー地域にあるほかの2店舗の従業員が8月下旬に労働組合結成の是非を問う投票の申請をした後、会社の決定で生じた変更は、これまでに見たことがないものだった。州外から、2人の「サポートマネジャー」がやってきて、現場でバリスタとともに働くようになったのだが、アイゼンによれば、これは職場に不安な空気をもたらした。
「多くの経験の浅いバリスタにとって、これは大きな圧力だ」とアイゼンは話す。「バリスタは大変な仕事。彼らに一挙手一投足を監視されているような気分で仕事をさせれば、仕事はさらに複雑になる。こういうことはするべきではない」。
マネジャー派遣は会社の「反撃」
組合結成に向けて動いている従業員や、そのまとめ役を引き受けている人々は、こうしたマネジャーの派遣は、会社による一種の反撃であり、従業員を威圧し、通常の業務運行を妨害し、組合への支持を弱めることを意図していると話す。
スターバックスによれば、マネジャーの追加派遣も、各店舗での人員補充や地域外からの最高幹部の訪問と同様、通常の業務の一環である。その他の変更、例えば同地域での一部店舗の一時的閉鎖は、研修と人員の不足という年来の課題を解決するためのもので、組合結成への動きに対応したものではなく、従業員からの要望を聞いたうえで行っている措置だとスターバックス側は説明している。
「聞き取り調査の結果、会社を支えるパートナーからの要望により、このような措置を講じた」と、スターバックスの広報担当、レジー・ボーゲスは話す。「これは、トップダウン型の『ああしろ、こうしろ』という決定ではない。われわれは耳を傾け、従業員の抱いている懸念を聞き取りにきた」。