「差額ベッド代」はいくらあれば足りるのか 医療保険「1日1万円の入院給付金」の妥当性

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「いったい、どんな人が利用するのか」と尋ねると、同院の広報担当者は「正直、私もよくわからないんです。私のような庶民は、めったに足を踏み入れないので……」との回答だった。

ほかにも高額なVIP病室はある。「以前から、医療関係者の間で有名だった」(ある医学系の研究者)のは、東京慈恵会医科大学付属病院の特別室。税込で1日21万円だ。

4人部屋なら平均でも2325円

一方、差額ベッド代の国内最低額はたった50円。4人部屋にすると平均でも2325円まで抑えられる。具体的な病院の名前を特定することはできなかったが、最高額の病室とは雲泥の差であることは確かだ。「差額ベッド代は病院や病室によって非常にばらつきが大きいので、平均値に基づいて必要な保障額を議論しても意味がない。1人部屋の平均値で、必要な保障をイメージすると過剰保障になるかもしれない」と医療情報の専門家は指摘する。

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差額ベッド代はいくら?

そもそも、病気になった際の入院期間は短期化の傾向にあり、入院自体しないかもしれない。いったいどのくらいの備えが必要なのか、しゃくし定規に結論を出すのは難しい。

保障が手厚くなると、その分保険料は高くなる。そして保険料は毎月確実に家計を圧迫する。保険会社のセールスマンに勧められるままに漠然としたイメージだけで「万が一のときの入院給付金は1日5000円よりも1万円のプランで保険を掛けておいたほうが安心かな?」と考えてしまうのは早計といえるだろう。

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平松 さわみ 東洋経済 記者

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ひらまつ さわみ / Sawami Hiramatsu

週刊東洋経済編集部、市場経済部記者を経て、企業情報部記者

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