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日本人の給料統計に映る「貧しくなった人」の真実 実質賃金は全然増えず格差が一段と開いている

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  • 鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表
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日本では1999年にいわゆる男女雇用機会均等法の改正が成立して、外形的には雇用における男女の差別がなくなりました。一方でこれは国際問題にもなっていますが、女性の管理職がいつまでたっても増えない、女性の活躍機会が日本は先進国と比較して極端に少ないという状況が続いています。

日本の給与制度というものは基本的にポジションが上がることで上昇します。正確には管理職のポジションに就くために必要な等級ないしは職能に達することで給与水準は上がります。つまり管理職になっている女性が少ない会社では、女性の平均給与は低くなってしまうということです。

そして民間企業の給与の実態調査を見ると一目瞭然で男女間の格差が開いています。とはいえ左側のグラフは少しミスリードな部分があります。国税庁が公表している男女の年代別データは正社員と非正規労働者が合計されています。

男女別、年代時代別に見ていくと?

正社員だけに限るとこの調査からは男女それぞれの給与の全体平均しかわかりません。それでも男性社員は平均年齢46.8歳で正社員の平均給与が550万円であるのに対して、女性は平均年齢46.7歳と年齢は大きく違わないのに正社員の平均給与は384万円と正社員平均でもかなり低い。同じ平均年齢で、同じ正社員の男女差は160万円以上も開いています。

一方で年代別時代別に分析をしようとすると国税庁の統計数値では非正規労働者が混在してしまいます。女性の非正規労働者は全体の38%と、男性の12%よりも高いので、女性の平均給与はその影響でも低くなります。さらに30代よりも50代女性のほうがパート率が高いなどの世代間の違いもあります。

これらの要素を独自に補正して作成したのが右のグラフです。同じ昭和入社の社員同士で比較すると、昭和入社の社員間では均等法が成立した後でもやはり女性社員の平均給与は低くおさえられたままです。

しかしこの点には企業側からは有力な反論があって、

「残念ながら、彼女たちが入社した時代、20代、30代では社会制度がそうなってはいなかったことで、管理職となるための教育ができていない。給与をあげたくてもあげられないのだ」

ということです。

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【均等法導入後の入社組は格差が埋まったのか?】

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