ヤマハの「3輪バイク」がロケットスタート いったい誰のハートをわしづかみに?
ヤマハでは今回、広告のメインキャラクターに人気タレントの大島優子さんを起用。7月1日の商品発表会見に登場した大島さんは「二輪免許取ります」と宣言した。その後、同社のホームページでは、第1回目の『二輪免許ってナニ?』から始まり、免許取得に挑戦する様子を7回にわたって動画で配信。第6回目では実際に免許を取得した様子が見られる。ほかにも、ウェブでのスペシャルサイト開設やSNSを使ったプロモーションなど、若年層への浸透を意識し、ネットを積極的に活用している。
そもそも若年層のユーザー開拓には2輪免許の取得がハードルになっているという要因もある。そこで、新たに免許を取ってトリシティを購入した場合、1万円をキャッシュバックするほか、自動車教習所と連携した商品の展示や体験会などを行うことも計画している。
社長も驚いた”異色”の試乗会
実は、ヤマハにとって若者からの反応に大きな手応えを感じるイベントが直近であった。8月26日に東京・お台場で一般向けに初めて行われた試乗会がそれだ。あえて夏休み時期の平日に開催し、大学生や専門学校生などの集客を狙った。
ヤマハ発動機販売の宮本課長からすれば「若者が来てくれるのか不安だった」が、フタを開けてみるとそれは杞憂だった。試乗会が始まる前に20歳前後の若年層を中心に50人ほどが列をなし、150人の定員がすぐに満員になる盛況ぶり。試乗者のうち、18歳~22歳が6割強、女性比率が4割、2輪免許を持っていない人たちが6割もいた。また、バイクとはおよそ縁遠そうな学生カップルも目についた。中高年ライダーが多く集まる通常の試乗会とは大きく異なる趣に、現場に来ていたヤマハ発動機販売の木村稔社長も「バイクの試乗会にこんなに若い人が集まるとは」と驚きを隠せない様子だった。
今後は学園祭での展示や、ミスコンなどキャンパスイベントなどともタイアップしたりと、若年層向けの露出をさらに強化する予定。若者の関心が珍しくバイクに向いているだけに、実際の需要につなげていくためにも、今後のプロモーションにはいっそう熱が入りそうだ。果たして、低迷する国内バイク市場でトリシティは”救世主”となれるのか。
(撮影:今井康一)
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