新レクサス「NX」に込められた2つの使命

独3強に比肩するにはさらに10年を覚悟

「レクサスNX」は、ベンツ、BMW、アウディの独3強に互するための戦略車だ

「これでジャーマン3と戦えるラインナップがそろった」。

「レクサス」の新型SUV(スポーツ多目的車)、「NX」のラインオフ式を翌日に控えた8月7日夜。福岡県小倉市内のホテルで、トヨタ自動車のレクサスインターナショナル幹部はつぶやいた。

7月29日から国内で販売を開始したNXは、レクサスで初となるコンパクト高級クロスオーバーSUVだ。トヨタが新しく開発した2.0リットルターボ(過給器)エンジンを搭載する「NX200t」と、ハイブリッド車(HV)の「NX300h」をラインナップしている。価格は428万円から582万円(消費税込み)で、BMWの「X1」「X3」、アウディの「Q3」「Q5」、メルセデスベンツの「GLK」など、いわゆる”ジャーマン3”の中小型SUVと競合することになる。

NXはトヨタ、およびレクサスにとって、2つの大きな使命がある。

高級SUVはコンパクトカーで勝負

第1には、ジャーマン3に引き離されているレクサスにとって、それに反撃する有力なジャンルになる可能性があるということだ。

高級クロスオーバーSUVという、新たなジャンルを開拓したのはレクサスである。トヨタが1998年に米国で発売したレクサス「RX」は、SUVでありながらオフロード性能ではなく、オンロードでの高級セダンの乗り心地を重視して、大ヒット。特にこれまでSUVに縁遠かった、中・高所得層の女性にも受け入れられた。

ただ、多くのメーカーがこの市場に参入したため、競争は激化。近年は、BMWのX1やアウディのQ3など、コンパクトなモデルが人気を集めており、レクサスは劣勢を強いられていた。というのも、レクサスはSUVでは大型の「LX」「GX」(ともに国内未発売)、中型のRXを持つものの、台数が見込める小型モデルを欠いていたからだ。

その意味で、パイオニアと自負する高級クロスオーバーSUV市場に、レクサスが満を持して投入するコンパクトSUVが、今回のNXとなる。

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