「見逃すな」マドン監督が語る大谷翔平の成長 「二刀流をやってのけたのはほとんど神業だ」

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ジョー・マドン監督が語る大谷翔平とは(写真:Getty/Jayne Kamin-Oncea)
メジャーリーグ史に残る大谷翔平の「リアル二刀流」を開花させたロサンゼルス・エンゼルスの名将ジョー・マドン監督。今季の大谷はどうして成功したのか。米野球界にとって大谷はどんな存在か。MLB専門ジャーナリストのスコット・ミラーがマドンに聞いた。

大谷翔平という存在

――あなたはこの夏ずっと、ファンやライバルチームの選手たちの大谷に対する反応を見てきた。大谷はMLBにとってどんな存在か。

これは私がメンバー表の一番上に書いていることでもあるが、合言葉は「見逃すな」だ。見逃すな、そして、いま目にしていることを過小評価するな。慣れっこになるな。来季も、その次も、いつでも見られると思ったら大間違いだ。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

しかも、彼はとても謙虚に奇跡を成し遂げている。彼が注目を一身に浴びているのは見てのとおり。想像してみてほしい。彼が東京の街を歩いたらどうなるか。(ビートルズの)ジョンとリンゴとジョージとポールが1人の人間になって歩いているようなものだ。彼がやっていること、そして、そのやり方は称賛に値する。誰にもまねできない。

若手が奮起して彼を見習うとしたら、それは素晴らしいことだ。そうなってほしい。球団組織やフロントも(他の選手を二刀流で起用する欲を)大いに刺激されたはずだ。

ショーヘイについて言えるのは、彼は(二刀流を認める球団と)契約したということだ。後は彼のやりたいようにやらせるだけ。ああしろ、こうしろとうるさく言わないこと。

コントロールしようという意識が強すぎるとダメだ。選手の自主性を認めること。はたから見て言いたくなることは山ほどあっても、本人の気持ちを尊重しないと。

(投打両方をこなす)選手がもっと増えればいいと思うなら、選手の自主性を尊重する風土が育たないといけない。多くのMLBのフロントは主導権を手放したがらない。誰もがコントロールしたがる。だが偉大な才能の邪魔をしてはいけない。彼は既にその(偉大な才能という)言葉にふさわしい働きをしている。この状態が今後数年続いたら、(二刀流が)当たり前になるだろう。彼の影響は計り知れない。

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