米国の経済成長源「イノベーション」を生む2要因 「人口増」だけではない、他国を突き放す強み

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米国の持続的な成長を支える「イノベーション」の源泉とは? (写真:ronniechua/iStock)
史上最高値の更新を続ける米国の株式市場に、世界中の投資家が注目している。コロナショックを機に投資を始めた方々も、米国の株式市場から目が離せない、という状況が続いているのではないだろうか。
長年、トレーダーとして世界のマーケットを渡り歩いてきた松本大氏は、「米国経済が持っているポテンシャルというのは、実に計り知れないほど大きなものがあります」と語る。
トレーダーとしての経験を活かし、投資初心者向けに米国株について解説した『今日から始める!米国株投資超入門 松本大がやっぱり勧めるこれだけの理由』を上梓した松本氏が、米国の持続的な成長を支える「イノベーション」の源泉を解説する。

米国経済を後押しする「イノベーション」

近年、米国経済への関心が高まっています。安定して成長を続ける米国に、投資家のみならず、多くの方が注目しているのです。そんな米国経済の強さを支える最大の要因は、なんといっても人口増です。とはいえ、それだけではインドネシアやASEAN諸国などの新興国と比べた際に、頭一つ抜きん出ることはできません。人口増に加えて、今回お話しする「イノベーション」という後押しがあることで、米国経済の強さがより手堅いものになるのです。

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ここでひとつ、最近米国で起きたイノベーションをご紹介しましょう。新型コロナウイルスのワクチン開発です。新型コロナウイルスが世界中に拡散する兆しを見せ始めた2020年1月時点で、ワクチン開発に関連した研究はひとつもありませんでした。そして、ワクチン開発には数年の時間を必要とするのが常識です。そのため新型コロナウイルスワクチン開発にも相応の時間が必要ではないかと言われていました。こうした予想をいい意味で裏切る形で、米国政府は2020年末、米国のファイザーに対して新型コロナウイルスワクチンの使用許可を出したのです。

こんなに早くワクチンが開発できたのには、米国内でSARSやMERSといったほかのコロナウイルス感染症の研究が進められていたため、という点はたしかにあります。それでもやはり、米国が持つイノベーティブな技術開発力には脱帽せざるをえません。

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