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鬼滅の刃がTVアニメでもTVの枠にはまらない必然 もはやTV放送が作品を最も輝かせる恒星ではない

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  • 中山 淳雄 エンタメ社会学者、Re entertainment代表取締役
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テレビはもはや貴重な映像の初出しプラットフォームではなく、ツイッターを片手にライブを楽しむアーカイブプラットフォームになっていくのでは、という未来を予見したような事件であった。テレビがユーザーベースという光を作り出す恒星ではなく、すでにそれがほかのメディアで行われたあとに、その残光を使って惑星のように周辺で拡張させる「従属的な役割」になった瞬間である。

(出所)『推しエコノミー 「仮想一等地」が変えるエンタメの未来』(日経BP)

こうして「(短期的な)収益最大化」よりも「視聴の最大化」に振り切ったアニプレックスの新しい流通戦略は当たった。鬼滅の新しいメディア流通戦略は、一言でいうと「脱テレビ」である。

ネットフリックスが台頭する時代のテレビはどうなる?

1963年にフジテレビで放送された『鉄腕アトム』から始まった「テレビアニメ」は、1995年の『エヴァンゲリオン』よりアニメ製作委員会方式として進化しながらも、2000年代に入ると衰退が予想されていた。だが2000年代も出版や新聞ほどにはテレビが凋落をみせず、またソフトバンクやライブドア、楽天がもくろんだ買収やメディアと通信の統合の波も乗り切ったテレビ局が古い構造を温存したことによって、そこから20年以上も残り続けたのが「テレビアニメ業界」なのである。

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だが、はたして、今の2021年でも、「テレビ放送」が作品を最も輝かせている恒星だといえるだろうか? 複数のアニメの実態を見るに、作品のストーリーをどんどん展開し、ファンの数を積み上げているのは「放送」であるケースはむしろまれで、「配信」であったり、「電子書籍」であったり、「アプリゲーム」であったり、ほかのチャネルのほうが大きな役割を果たしている。むしろ数年に1回しかできないテレビアニメ放送はすでに出来上がったストーリーの後追いをし、作品としての世界観の展開はアプリゲームで、となっている作品も少なくない。

アニメはコンテンツの力でメディアを乗り換える地力をもっている。すでに「海外・配信」というネットフリックスによって、2020年には20本のアニメがほぼ1社独占の出資で作られ、2021年はそれが40本になる予定と発表されている。フールーやビリビリといったほかの配信大手も出資を強めており、ここ数年で「テレビ局と作るアニメ」という構図は時代遅れのものになりつつある。

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