東大合格者の遠回りのようで効率的「理科学習法」 「鉄緑会」講師が蓄積されたノウハウを伝授
東大理系の場合、高校理科4科目(物理・化学・生物・地学)の中から2科目を選択して受験することになります。その中で選択者が最も多い組み合わせは「物理・化学」選択となります。今回は、東大受験を見据えた物理や化学のあるべき学習法について、鉄緑会での指導経験をふまえて考察してみましょう。
まずは物理の学習について、どのような学習スタイルが正しいのか、2つの極端な例を挙げて考えてみましょう。
①基礎はほどほどにしてとにかくたくさん問題を解く
②理屈さえわかっていれば問題は解けるはずなので、問題演習は二の次にして参考書で理論の習得を目指す
結論から申し上げますと、どちらも正しい学習方法とは言えません。
「なぜその法則を使うのか」を意識して解く
まず1つ目の学習方法についてです。大学入試では問題を解けないといけない訳ですから、問題演習は確かに大切です。ただ、問題演習というのは、正しい理論を身につけ、それを応用するために行うべきものです。そのため、根底にある理論があいまいなまま問題演習のみを積んでも、正しいレシピを知らないで闇雲に料理を作るのと同じことになります。
このような学習方法に陥った場合、問題によって正解することはあっても、それは「たまたま」であり、そこから得られるものはその場限りの成功体験以外にはないでしょう。
とくに初習の段階では、多少時間がかかっても「なぜその法則を使うのか」を意識しながら問題を解くとよいでしょう。これを積み重ねると、正しい物理的感覚が養われ、問題を解くスピードも上がってきます。
また、理解できない事柄に直面したときに、「なぜそれを理解できないのか」をきちんと分析することも大切です。物理は論理の学問であるため、理解できないことがあるときに、それ以前の学習事項の理解があいまいであることがしばしばあります。
例えば、「円運動」の理解があいまいなまま「単振動」を理解することは不可能です。そのため、わからないことの原因をトコトンまで突き詰めることが大切です。