iPhone熱狂の裏で進むアップル“閉鎖”主義
Androidを警戒か
アップルが閉鎖性を強める背景には、Androidの存在がある。アップルのOSはiPhone向けだけなのに対して、Androidはオープンソースのため複数の端末メーカーが採用する。
米ハイテク業界調査会社のABIリサーチによると、今年のiPhoneの世界出荷台数は約2500万台と、Android系の約1800万台を上回る。が、15年にはiPhone約5000万台に対して、Android系は9400万台に膨らむ見通しという。
こうした中、予測されるのがアプリ開発者の争奪戦だ。現時点では利用者の多いiPhoneがプラットフォームとしては優位にある。が、Android系の普及が進む中、「Androidでの展開も視野に研究を始めている」(iPhone向けに着せ替えアプリを手掛ける「チャムファウ」の開発担当者)開発者も増えている。
iPhoneがここまで爆発的に利用者を増やすことができたのは、使い勝手やデザイン性の高さだけでなく、膨大な数のアプリがあったから。こうした優良アプリがほかのプラットフォームへの流出を抑えるため、アップル独自仕様を求めているとも見られる。
「Flashなど他社ソフトへのトンネル課金を防ぐ狙いもあった」(ゲームジャーナリストの新清士氏)との指摘もある。
アプリ開発者の中にはiPhoneだけでなく、ソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)などで同様のゲームを提供している場合があり、中には利用者がSNS上で購入したアイテムをiPhoneアプリ内でも利用できるケースもあるという。これを防ぐのに自社製で固めるというものだ。