この際「あなたを嫌う人」は無視してもいい理由 結局「上司や同僚と仲良く」は建前でしかない
「何のために仕事をしているかわからない」という人、メディアにあふれる「好きを仕事に」「やりたいことで生きる」「何者かになりたい」というキラキラ思考に疲れた人、「人間関係に疲れ、会社に行きたくない」という人、「仕事が評価に繋がらない」という人、「自分の限界が見えて先が見えない」という人……。
すべての悩める働く社会人に代わって、中小企業に勤めるミレニアル世代のシマオ君が、作家・佐藤優さんに「働くために必要な哲学の教え」を聞きました。(『仕事に悩む君へ はたらく哲学』から一部を抜粋・再構成して紹介します)。
どんなに努力してもわかり合えない人間はいる
シマオ:佐藤さん、今、上司との関係があまりうまくいってなくて。
佐藤優(以下佐藤):人間関係ですか。職場では多かれ少なかれ衝突や軋轢が起こるものです。むしろない人の方が少ないでしょう。
シマオ:それはわかっています。会社はいろんな人が集まってきているものですから。でも、直属の上司からあまりにも正当に評価されてないなって感じることがあって。この前、僕の後輩がマネージャー試験に合格したんです。僕より3つも下なんですけど、コミュニケーション能力が高くて、上司にも同僚にも好かれていて。
佐藤:昇進を抜かされた、ということですか?
シマオ:は、はい。僕、どちらかといえば、あまり人との付き合いがうまくなくて、仕事の評価も全部それが原因なんじゃ、って思ってしまうんですよね。
佐藤:なるほど。
シマオ:なかにはものすごく高圧的に仕事を押し付けてくる人もいて。でもその後輩にはみんな優しいんですよ。人望の差かもしれませんが、そんなちょっとしたことに傷ついている自分もいて。
佐藤:まず、確認しておきましょう。そもそもシマオ君は、上司や同僚みんなと、良好な関係を築きたいと思っているんですか?
シマオ:え……そりゃあ、いい関係に越したことはないな、と。
佐藤:最初からこんなことを言ってしまってなんですが、人と人が集まる場において、みんな仲良くというのは完全に建前です。不可能といっても過言ではない。世の中には建前と本音の世界があって、「どんな努力をしても根本的にわかり合えない人がいる」というのをまずきちんと理解したうえで人と向き合ってください。
シマオ:わかり合えない……。
佐藤:はい。そう考えれば、誰かに嫌われることを恐れる必要はないということになります。シマオ君はパレートの法則をご存知ですか?
シマオ:パレートの法則?
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