かまいたち「レギュラー番組が増えた」3つの要因 YouTubeからも見える「2人のこだわりのなさ」

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山内健司(写真左)と濱家隆一(右)からなるお笑いコンビ「かまいたち」。レギュラー番組を10数本抱える彼らの活躍の理由とは?(写真:時事通信)

お笑いコンビ・かまいたちの勢いが止まらない。コンビとしてのレギュラー番組は10数本あり、この秋にも続々と新番組がスタートする。テレビ朝日で始まった『ウラ撮れちゃいました』は彼らにとって初めてのゴールデンタイムのレギュラー番組である。

また、日本テレビで始まった『千鳥かまいたちアワー』は『有吉反省会』の後番組であり、『超無敵クラス』は『ウチのガヤがすみません!』の後番組である。『有吉反省会』も『ウチのガヤがすみません!』も長年続いていた日本テレビの看板番組だった。

それらを終わらせて新番組を2本立ち上げて、どちらにもかまいたちをキャスティングしているところに、彼らに対する局の期待感の高さがうかがえる。

コンビとしてだけでなく、ツッコミ担当の濱家隆一は個人としても活躍しており、日本テレビの朝の情報番組『ZIP!』で水曜パーソナリティを務めている。いまや朝の顔としても知られるようになっているのだ。なぜ今これほどまでにかまいたちが引っ張りだこになっているのか。その理由は大きく分けて3つある。

2人が重宝される「3つの理由」

1つは、どんな企画も面白くする圧倒的な実力があることだ。かまいたちはもともと大阪のお笑いコンテストを総なめにしてきた安定した実力の持ち主だった。漫才とコントの両方をこなす「二刀流芸人」でもあり、2017年にはコントの大会『キングオブコント』で優勝し、2019年には漫才の大会『M-1グランプリ』で準優勝を果たした。

彼らは漫才でもコントでもハイクオリティなネタを量産している上に、ロケもトークもMCもこなせる万能型芸人として大阪のテレビでは重宝されてきた。大阪では長時間に及ぶ過酷なロケ番組で鍛えられ、どんな状況からでも笑いを生み出す底力を身につけた。それこそが、彼らがテレビタレントとして重宝される最大の理由だ。

かまいたちが東京に進出したのは2018年である。そこからわずか3年で現在の地位まで上り詰めることができたのは、千鳥という上京芸人のモデルケースがあったからだ。

かまいたちの先輩にあたる千鳥は、大阪を拠点に活動していて、ロケの上手さには定評があるコンビだった。だが、2012年に東京進出してからは、なかなか思うような結果が出せずに足踏みを続けていた。千鳥が東京のテレビスタッフから信頼を勝ち取ったのは、上京して数年経ってからだった。

一方、かまいたちの場合、千鳥という前例があるので、テレビスタッフも「大阪で活躍していた」という事実を素直に評価することができた。そのため、彼らは千鳥よりもスムーズに東京で仕事を増やすことができたのだ。

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