かまいたち「レギュラー番組が増えた」3つの要因 YouTubeからも見える「2人のこだわりのなさ」

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たとえありがちな企画をやっていたとしても、彼らの手にかかれば十分に面白い動画になる。このYouTubeチャンネルがきっかけになって彼らのことを知ってくれる人が1人でも増えればそれでいいと考えているのだろう。このいい意味での「こだわりのなさ」が彼らの強みだ。

「いけすかないキャラクター」から脱した濱家

3つ目の理由は、濱家の見た目とキャラクターが劇的に変わったことだ。数年前のかまいたちの姿を写真や映像で確認すると、山内はほとんど変わっていないように見えるのに対して、濱家の変化に驚かされる。少し前までの濱家は今より随分ぽっちゃりしていて、顔の輪郭が丸い。もし彼があの体型のままだったら、今のような活躍はなかったかもしれない。

濱家の見た目が急激に良くなったことで、コンビとしての印象も変わった。お笑いファンにだけ愛されるローカル芸人ではなく、万人に愛される全国区のテレビタレントになる資格を得たのだ。

若手の頃の濱家は、今よりも芸人気取りのいけすかないキャラクターだったという。酒を飲み歩き、無計画に散財して借金を繰り返した。だが、あるときに妻にアドバイスされたのがきっかけで、彼は生まれ変わった。そこからは生来の人の良さと気配り上手の一面を生かして、芸人として進化を遂げた。濱家の見た目と内面が変わったことで、コンビとしても一気に飛躍することになった。

かまいたちの2人はすでにアラフォー世代であり、芸歴も長く落ち着きがあるので上の世代の視聴者からも支持を得やすい。東京に進出したのは最近のことだが、決してぽっと出の若手芸人ではない。彼らがバラエティ界の覇者になる日も決して遠くはないだろう。


(文中敬称略)

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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