マクドナルド復活“第2幕”--7年目、原田改革の新機軸
原田社長就任以前の同社は、深い混迷期にあった。既存店売上高は03年まで7年連続の前年比マイナスを記録、02年12月期から2期連続で最終赤字を計上した。03年12月末には、売上高の約9割を占める日本マクドナルド単体の貸借対照表は、49億円の債務超過に転落する窮状に陥っていた(07年12月期に解消)。
この6年間で閉鎖した店舗は600近くに上るが、まだまだ負の遺産は整理しきれていない。「断行する体力は養った」(原田社長)今こそ一気呵成のチャンスともくろむ。
店舗を大量閉鎖する一方、4月末からは都内12店舗で「新世代デザイン店舗」の展開を開始した。
原田体制になって以降、この間の店舗数はほぼ横ばいながら、全店ベースの売上高は累計34・4%上昇した。理由はひとえに、1店舗当たりの売上高向上。それをさらに推進するため、小型店閉鎖と並行して新世代デザイン店舗の数を増やそうという両面作戦に打って出るのだ。
負の遺産整理のもう一つの舵が、郊外直営店のフランチャイズ(FC)化だ。09年12月末の直営対FC比率は46対56だが、これを早期に3対7まで持っていく方針を掲げる。
FC店比率を7割に 都心と地方で役割明確化
FC比率が高まると、安定的にロイヤルティ収入は増え、1店舗当たりの売上高は目減りする。ただ、採算性は格段に向上する。資産効率を表す総資産経常利益率もこれにより、着実に上昇すると見積もる(下グラフ参照)。