売れ筋飲料「茶系、炭酸、有糖・無糖」の選ばれ方 その時の気分で「リラックス」と「リフレッシュ」

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茶系で最強ブランドは「お~いお茶」(伊藤園)で発売されたのは1989年。前身となる商品の発売は1985年で缶飲料「缶入り煎茶(せんちゃ)」という商品名だった。4年後に現商品名に変えると、以前の商品に比べて売り上げが倍増したという。

発売以来、ずっと緑茶カテゴリーではトップブランドで、消費者意識の変化に応じて「お~いお茶 濃茶」(2004年)や「お~いお茶 新緑」(2018年)などの派生商品も発売。ブランドの売り上げに上乗せされてきた。

「『お~いお茶』の強みはどこでも置かれていること。商品力・営業力とともに信頼性でしょうが、駅構内の売店でも商店街のパパママショップにもあります」(競合の担当者)

このように他社からも一目置く声が寄せられた。

“緑”を打ち出してV字回復した「伊右衛門」

近年V字回復を果たし、その後も好調なのが「伊右衛門」(サントリー食品インターナショナル)だ。「今年1~8月は対前年比で約110%」(同社)となっている。

2004年の発売後に大ヒットしたが、実は翌2005年をピークに販売量は落ち込んでいた。

「派生商品でブランド全体を支えましたが、本体の緑茶は右肩下がり。2019年には最盛期に比較して本体は約4割減で、コンビニの緑茶売り上げでは4番手。棚落ち寸前でした」

多田誠司さん(サントリー食品インターナショナル ジャパン事業本部 ブランド開発事業部部長)はこう明かす。消費者調査を行うと、商品自体のイメージも希薄だった。例えば「伊右衛門と言われて思いつくものは?」という質問には、「モっくん、りえちゃん」(CMに登場する俳優の本木雅弘さんと宮沢りえさん)という答えが目立った。

そこで行ったのが、売り場で商品を見たお客さんに“脊髄反射”してもらう作戦だ。

「最大の特徴は、独自の技術で緑茶本来の鮮やかな緑の水色(すいしょく)と、味・香りを両立したこと。そうした技術にこだわる一方で、商品訴求は『色』で打ち出しました。

商品の中身が見えるよう、容器を覆う面積の少ないロールラベルも採用。売り場で商品を見たお客さまに“脊髄反射”していただく取り組みです」(多田さん)

緑色の「伊右衛門」本体(左)に加えて、茶色の「伊右衛門 京都ブレンド」も発売した(筆者撮影)

ここでいう脊髄反射とは、瞬間的に「買ってみたい」と思わせる意味だ。実は、「ペットボトル緑茶を飲む消費者のうち、月に1本未満しか飲まない層が半数以上」だという。そこでターゲットを「緑茶ライト層・無関心層」に設定し、売り上げ回復を果たした。

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