続いて、空気清浄機の種類。最近はいろいろな機能がついたものが登場しているが、どれを選べばいいのだろうか。
「ひと口でいえば、高性能の製品を選ぶ必要はないです。空気清浄機の基本的な役目はあくまでも空気をろ過することであり、付加価値をつけた機能の部分ではありません」(本堂さん)
フィルターには捕集できる微粒子の大きさによって、粗塵用フィルター、中性能フィルター、HEPAフィルター、ULPAフィルターに分けられる。ULPAフィルターがいちばん、性能が高い。現在、市販されているほとんどの空気清浄機に用いられているのが、HEPAフィルターだ。かなりのエアロゾルをキャッチしてくれる。
ただ目が細かい分、一定の空気抵抗があるため、ある程度の大きさのモーターがついていないと、十分な風量を確保できない。風量が小さければろ過できる空気の量は少なくなるので、空気清浄機は大型で空気をどんどん吸い込むものがいいという。
メンテナンスの際、アルコールを噴霧するのはNG
忘れてならないのは、定期的なメンテナンスだ。ホコリなどでフィルターが根詰まりを起こせば、空気はろ過されない。掃除はまめに行い、その際はフィルターにウイルスが付着しているという前提に立ち、十分な換気のもと、マスクや手袋することが重要だ。
メンテナンスの際、除菌や消毒のためとアルコールを噴霧する人もいるかもしれないが、「それは絶対やっちゃダメ」と忠告するのは柳さんだ。
「実は、多くの空気清浄機に取り付けられているHEPAフィルターは、正確には“静電気HEPAフィルター”というもので、中性能フィルターに荷電し、静電気の力でHEPAにまで性能を上げています。アルコールを噴霧すると除電されてしまうので、性能は落ちます」
今回、2人の専門家に聞いた空気感染対策の考え方は、「仕事や食事をする際は、できるだけ外から空気が入ってくる席を選ぶ」「屋外でも空気の溜まりそうな場所は、感染リスクがあると思って注意する」などの点で応用できる。
「もちろん、空気感染対策としての不織布マスクも重要です。すき間なく装着すれば、エアロゾルが入り込むのを予防できます」(本堂さん)
現時点では、事務局である本堂さんのところには、政府から連絡はない。だが、1人ひとりがこうした専門家の知識を得て、実践することは可能だ。
こうした対策を試みながら冬の第6波に備えたい。
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