38人の科学者が提言「空気感染」から身を守る方法 緊急事態宣言が明ける今後こそ要注意

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もう1つ、常時換気の強い味方がレンジフード(換気扇)だ。

「レンジフードは風量が大きいうえ、室内の空気を吸い込んで外に排出する機能を持ちます。室内が陰圧になるので開けた窓や換気口からは新鮮な空気が入り、空気の通り道を作ってくれるのです」(柳さん)

実際、柳さんらが行ったシミュレーションによると、換気を何もしていない場合は1分ぐらいで人の呼気から出たエアロゾルがリビングから部屋全体に広がるが、1カ所の窓を開けてレンジフードをオンにした場合、エアロゾルはレンジフードに吸い込まれていき、室内に広がることはなかった。

同じような意味で、トイレや風呂場の換気扇も常時、回しておいたほうがいいという。

換気中の暖房に関しては、ガスファンヒーターのように動かせるものであれば、できるだけ窓の近くに設置する。そうすると冷たい外気が暖房で暖まって部屋に入るので、室温を大きく下げることはないそうだ。

本堂さんは、今後、室内換気に重点を置きたいと考える人には、「熱交換器型換気機器(熱交換器)」の設置をすすめる。ビル換気でも使われている方法で、エアコンのようにあとからでも取り付けることができる。

「1時間に5回程度空気を入れ換えられるような、十分に換気量がある機種を選ぶことが大切です。本体だけでなく工賃もかかりますが、取り入れる外気を室温に近い温度にできるので省エネになります」(本堂さん)

なお、換気は“誰が感染しているかどうかわからない”といった状況で役立つ対策であり、感染者や濃厚接触者が判明しているときは、換気だけでは十分ではない。部屋を別にする、共有部分の消毒などの対策が別途必要になる。

そのままでは空気が流れない場所の対策に空気清浄機

②空気清浄機の利用

空気清浄機の補助的な利用は、CDCや厚生労働省も推奨している。知りたいのは「どこに置くか」「どんな空気清浄機がいいか」の2点だろう。

まず、空気清浄機の置き場所だが、「窓が1カ所しかない部屋や、奥まっている場所など、そのままでは空気が流れない場所の対策には有用だろう」と本堂さん。

「空気清浄機を置くことで、空気のたまり場をなくすことができます。最近、常時開放した入り口のドア付近に空気清浄機を置いている店を見かけますが、開けてある入り口から入ってくるのは新鮮な空気です。外気に含まれる花粉対策にはなるかもしれませんが、ウイルス対策としては意味がありません」

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