アパレルの大問題「グリーン敗戦」は回避できるか 「サステナビリティー対応」は待ったなしの状態
「サステナビリティー対応」は全世界的な社会課題
繊維・アパレル産業は、「環境負荷の高い」産業である。たとえば、CO2排出では、繊維産業は全産業界の中で約8%を占め、自動車産業と同程度のCO2を排出している。
殺虫剤による土壌汚染では、世界の中でわずか3%の作付面積にすぎない綿花畑が、約15%の殺虫剤を使用し土壌汚染を引き起こしている。淡水の水質汚染では、原因の約20%が繊維産業の染色によるものだ。
なかでも、CO2排出を端緒とする「気候変動問題」は、いまや全世界的な社会課題と認識され、取り組みが急がれている。日本でも、2020年政府が「2050年に温室効果ガス排出実質ゼロ」を宣言し、話題となったことは記憶に新しい。
世界に目を向けると、気候変動対応で先行する欧州では、2019年に発表された「欧州グリーンディール政策」において、「2050年にカーボンニュートラル」を目指すことを発表。
同年の先進国G7サミットでは、ラグジュアリー大手のケリングが「2050年までのカーボンゼロ」を掲げる「ファッション協定」を提案し、約150のブランドが賛同・署名。「サステナビリティー対応」は今、欧米のファッション業界全体に拡大している。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら