締め切りは「守る」ではなく「延ばす」のがいいワケ 「忙しい」という理由で依頼を断ってはいけない

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医師がワンダに望んでいたのは、事務作業をてきぱきとこなし、自分が大好きな仕事を楽しむ幸せな従業者でいてもらうことにほかならなかった。

もちろん、時間に融通を利かせたり、そのような従業者の求めを真剣に考えたりしたがらない職場もある。もしあなたが仕事を探しているのなら、時間に関する方針について必ず尋ね、そうした問題を考慮しない企業や、あなたの質問に戸惑っているように見える(あなたの時間の価値についてろくに考えたことがなさそうな)企業は疑ってかかるといい。それでも、この点であなたと進んで協調しようとする会社の数は、どの部門でも増えてきている。有能な従業者を求める競争が激化する中では、そうならざるをえないのだ。従業者がタイム・リッチな生活を送れるように支援するというのは、強力な求人ツールとなりうる。

締め切り延長を求めるのは無能の証ではない

締め切りの延長や有休取得を願い出るのを控える傾向をなくすためには、そうした依頼を当たり前のものにすることが肝心だ。広い意味で、仕事と生活の要求のバランスをとるために、もっと時間を求めてもかまわないという事実を伝えることが重要になる。仕事に圧倒され、このままでは絶対に時間が足りないと密かに思っている従業員には、それはけっしてあなただけではない、と言ってあげる必要がある。

締め切りの延長の依頼と休暇願いは、メールや1対1の会話で、内々に行われることが多い。その結果、従業員はそうした依頼がどれほど多いか、過小評価している可能性が高い。また、他の従業員が同じようなストレス要因をどれほど多く経験しているかも過小評価しがちだ。

経営者は従業員に、そういう依頼をするのは彼らだけではなく、時間を余計にかけるのはごく普通であることを知らせる必要がある。締め切りの延長を認めるのはありふれていることを伝えるのは、無能でやる気がない人間として槍玉にあげられるのではないかという従業員の恐れを和らげる、簡単で効果的な方法になりうる。

締め切りがどれほど厳しいのかは曖昧なことが多い。そのため、従業員は締め切りが変更可能かどうか知らないかもしれない。このような曖昧さに直面すると、たいていの従業員は、締め切りが変えられないといけないので、もっと時間を求めることを避ける(繰り返しになるけれど、女性や若い従業者は特に避けることが多い)。課題を与えるときには、上司は締め切りが調整可能なものかどうかを、はっきり伝えるべきだ。

アシュリー・ウィランズ ハーバード・ビジネススクール アシスタント・プロフェッサー

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Ashley Whillans

カナダのブリティッシュ・コロンビア大学で社会心理学の博士号を取得し、現在はハーバード・ビジネススクールのアシスタント・プロフェッサー。人々が時間とお金のトレードオフをどのようにこなすかや、それにかかわる決定が仕事の満足度や幸福感や心身の全般的な充足度にどのような影響を与えるかを、同大学院で研究している。これまで「行動科学の新星(Rising Star of Behavioral Science)」に2度選ばれ、数多くの学術誌に論文が掲載されてきた。『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ワシントン・ポスト』紙、『エコノミスト』誌、CNN、BBCでも研究が特集されている。

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