中世民衆の世界 村の生活と掟 藤木久志著
戦国時代、村では「領主は当座の者、百姓は末代の者」といわれていた。領主は変わるが百姓は変わらない、土着の百姓はあくまで庇護される存在だった。
そうした百姓たちが拠点とした村の生活とはどのようなものだったのか。百姓自身によって定められていた「村掟(むらおきて)」からは、犯罪の疑いがあれば、厳しく確かめもせずに被疑者を死刑や追放刑に処す、粗野な村の日常が浮かび上がる。
こうした過酷な村の掟は、やがて人と村を大切にする方向へと変化する。惣作というシステムによって村の衰退を支え、惣堂に結集して成長していく。
日本中世史の専門家が、したたかでたくましい中世民衆の喜怒哀楽を丹念に描く。
岩波新書 840円
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