次はネット銀行。こちらもステージ(ランク)制を導入し、そのランクに応じて無料振り込み回数を特典につけている。メガバンクとは異なり、事前の申し込みや手続が必要というわけではなく、口座残高や取引内容に応じて勝手に各ステージに振り分けられる。では、なるべく手間やお金をかけずに無料回数をゲットできる、いわゆるコスパのいい銀行はどこだろうか。
まず、残高などの条件なしに無料振り込みができるのは、オリックス銀行、新生銀行、住信SBIネット銀行、GMOあおぞら銀行、ソニー銀行。オリックスが月2回、新生、住信SBI、GMOあおぞら、ソニーは月1回まで無料だ。
なお、ソニー銀行は自社のデビットカードSony Bank WALLETを保有していれば2回にアップする。さらに住信SBIは、スマート認証NEO(生体認証)の登録をするだけで月5回となる(ただしスマホを持たない利用者はスマート認証が利用できないので対象外)。残高や取引と関係なくゲットできるのは、この5回が最も多い。ついでに、あおぞら銀行BANK口座は、デビットカードを1回使えば1回の振り込み無料だ。
次に、給与振込口座に指定すると無料振り込み可能になるのが、楽天銀行(無料回数3回)。イオン銀行は取引ごとの点数制で、給与を受け取り(30点)、イオンカードセレクトあるいはデビットカードを契約し(10点)、その利用代金をイオン銀行から引き落とし、あるいはWAONを1円でも使う(10点~)と、やっと1回無料(シルバーステージ・50点)となる。
給与振り込み口座が変えられない場合は、円預金や投資商品の残高を増やすことで回数を増やせる銀行がいいだろう。円預金残高に応じて無料回数が増える場合、10万円あれば1回無料が楽天銀行、50万円あれば1回無料がauじぶん銀、2回が楽天銀で、思い切って円預金で100万円預金できるなら、楽天銀が3回、新生銀行が5回となる。もっとすごい金額の銀行もあるが、このへんにしておこう。なお、外貨積み立てや投資信託など資産運用商品の残高ならもっと少額で済むが、値動きや手数料を考えるとコスパ的にいかがなものかと思うので触れないでおく。
※無料振り込み回数の対象となる取引や残高などの判定タイミングは各銀行の規定で異なる
業界最高回数の20回無料をゲットするには
さて、現時点で他行あて振り込みの無料回数が最も多いのは、住信SBIネット銀のランク4の20回だ。個人の場合、20回も振り込む必要があるかはさておき、その獲得条件を見ていこう。
ランク4になるには、外貨預金や仕組み預金が月末で残高500万円以上とか、300万円でいいけどプラスで住宅ローンの借り入れをしているとか、かなりハードルが高い。しかし、実はもっと手軽に条件をクリアできる方法がある。先に書いたスマート認証NEO(生体認証)を済ませ、さらに対象となるクレジット(もしくはデビット)カードを作って、その料金引き落とし口座に指定すれば、ランク4になれるのだ。
カード自体はゴールドカードやプラチナカードで有料ランクなのだが、外貨預金500万円分に比べれば年会費はずっと安い。ミライノカードGOLD(JCB)なら3300円、ミライノ デビット(Mastercard)は1万1000円の年会費だ。
しかし、最初に書いたように住信SBIネット銀行は今後手数料を88円に引き下げる。激安なのに、有料カードを作ってまでランク4になる意味があるだろうか。そもそもスマート認証NEO(生体認証)が済めば5回まで無料だというのに。
GOLDカードの年会費を12カ月で割ってみると275円となり、88円の手数料を払って4回振り込むよりは安い。4回にスマート認証済みの5回分を足して、月9回以上他行あてに振り込む人ならGOLDカードを作る意義はある……と無理矢理なら言えそうだ(ただし、ランク4ではATM利用の無料回数も20回となるので、総合的な判断が必要)。
これまで話題になってきたATM利用手数料に比べ、振込手数料は長らく聖域のように動かなかった。これが“官製値下げ”であっても、消費者としては歓迎したい。さて、この先86円を切る銀行が出てくるか、しばし見物といこう。
(注:記事中の数字はいずれも9月13日までの情報です)
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