「黒人女性の髪の毛はウォッシュデー (洗髪日)が必要なのです」とナオミの母は説明する。
「私は日本人なので初耳だった。 でも、ナオミの髪がとても乾燥しているのに気づいて、夫の家族に相談した。夫の妹がウォッシュデーのことを教えてくれ、効果のあるクリームやオイルを持ってきてくれた。それから、ナオミの髪を健康に保つためのルーティーンが始まったのです」
「彼女の髪はとても多いので、ウォッシュデーでドライヤーは使えません」と母親は続ける。「結んで編み込んで、乾くまで丸1日は待たないといけない。たった2本の三つ編みでは、うまく乾かないし、においやかゆみが出たり、傷んでしまう。だから、2本以上の三つ編みにしないといけない。8本くらいが手入れしやすいのです」。
母親がナオミの学校にそう説明・交渉したところ、週1回、ウォッシュデーの翌日だけ、最大4本の三つ編みにしても構わないという許可が降りた。
日本人でさえ不快な思いをしている「校則」
ところが、教師全員がナオミの特別な事情を知らされていた訳ではなく、三つ編みがナオミのおしゃれと勘違いされ厳しく注意されるという問題が生じた。週1回、4本の三つ編みが許可されていることが周知されていなかったのだ。
ナオミの両親の友人が、この窮状についてツイートした。
反響はすさまじいもので、多くの人が共感した。日本人も外国人も、同じような経験をしている人がたくさんいる。日本の学校では生徒の足並みを揃えるために厳しい校則が設けられている場合があり、日本人でさえ多くがこれによって不快な思いをした経験を持つ。筆者の妻も、前髪が少し長く額にかかってしまったために、クラスの面前で教師に髪を切られ、とても恥ずかしい思いをしたという。
しかも、生徒の身体的な多様性が高まっている中、こうした校則はナオミのような伝統的でない日本人、あるいは外国籍の人にとってはとても理不尽なものとなっている。
イギリス出身の黒人女性で、日本人男性と結婚したリサ・シャンテルさんも、誇りに思う双子の息子にに対して同じような懸念を抱えている。
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