「彼らの素敵な髪が学校教育の場でどう判断されるかがとても心配です」とシャンテルさんは言う。「皮肉なのは、うちの子たちはモデルをしていて、日本のモデル活動の場ではアフロヘアが賞賛されるのに、学校では全く別ということだ」。
日本の学校で多様な人種的ルーツを持つ日本人や外国の子どもたちが髪の毛に関してどんな問題に直面するか、という情報は広まっている。シャンテルさんのようにミックスルーツの子どもを持つ親たちの多くは残念なことに、起こりうる差別を予想し、どう対処するかを入学前に考えておかなければならない。
「家族としては、日本の高校野球は(坊主にすることが多いため)選択肢に入らないねとすでに話している」とシャンテルさん。
「夫の家族は野球が大好きなので、夫の名前も有名な野球選手にちなんでつけられている。でも、子どもたちのアフロヘアを守るために、野球部には入らないほうがいいかもしれないと提案したのは彼だった。うちの子はまだ幼稚園児ですが、夫はもう何年も先のことを考えている。子どもが小学校に入学したとき、アフロヘアに反発がないかまで心配している。まだ学校に入ってもいないのに、今から考えさせられます」
クラスメートの前で髪を切られた
この問題がどのくらい広まっているのか知るためにSNSに投稿したところ、コメントやメールが殺到した。その多くは、子どもや自分に直接影響が及ぶ可能性をおそれて、自分の話を使うなら匿名にしてほしいと念を押してきた。
ミシェルさん(仮名)には、公立中学校に通うハーフの息子がいるが、彼の髪は生まれつき明るい茶色くてカールしている。彼は、この巻き毛のせいで髪の長さを全体的に揃えることが難しく、それが問題を巻き起こした。教師が校則通りに髪を切らなければ、終業式には参加させない、と告げたのだ。
ミシェルさんの息子は拒否したものの、教師は「拒否しても構わないが、式には出なくていい」と言ったそうだ。学校側は仕事中だった日本人の父親に電話をかけ、「奥さんは忙しすぎて」対応できないだろうからと、息子の髪の手入れをしてほしいと父親に伝えたという。そして、教師はホームルームで、クラス全員の前で息子の髪を切った。これは家族にとってとんでもない屈辱だった。
日本で生まれ育ち、日本の公立学校で教育を受けたハーフ女性ナオコ(仮名) は、これはよくあることだとズームでの取材で説明してくれた。
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