「学校が『右へならえ』と言えば、黒人だろうが白人だろうが日本人だろうが、みんな右にならわないといけない。もし”線”をはみ出してしまったら、呼び出される。わざと外れているのではなく、自然の摂理で外れていても、生まれつきの違いは無視される。ここでは、私たちにあるのは規則だけだ」(ナオコさん)
「私たちは、なぜ規則があるのかは考えず、それに従うだけだ。例えば、私が12歳のとき制服のサイズを測りました。その時、母は『思春期になったらお尻が急激に大きくなる』と言ったのだが、学校側は『制服のスカートやシャツのサイズには決まりがある』の一点張りだった」と、ナオコさんは振り返る。
「私が成長し始めて、典型的な日本の女の子よりもお尻が大きいせいで、スカートが上がり始めたとき、教師たちは不満を持ち始めた。女の子の中には、校則に反してスカートを短く折っている子も当然いるが、私は、校則は破っていなかった。それでも、不良少女の枠に入れられてしまった。でも私の母は、校則を守るいい子を育てていたし、黒人の体型についても、学校側に事前に伝えていた」
「学校が理想とする見た目」と異なると…
ナオコさんは、ナオミさんと同じように髪の毛の問題にも直面したと説明し、伝統的でない髪の毛を持つ人は、システムが変わるまでこういった問題に直面する可能性が高いと話す。
こういった問題は、人種差別の例とは言わないかもしれないが、学校が教育する対象として設定した人は異なる性質を持つ人たちを標的にしているように見えるため、そうした誤解を与えかねない。制度の変更はけっして簡単ではないが、日本が多様性を認めて尊重する国になるためには必要不可欠だ。
多くの家族、特にミックスルーツの家族は、融通の利かない制度によって自分の子どもが誤った扱いを受けたり、いじめられたり、はずかしめられたりするのではないかという不安を抱えながら生活しており、1日も早い変化が起こることを願っている。
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