ホリケンの「漢字練習?」ジョークがまずい理由 日本のお笑いが抱えている根本的な問題
「日本語を話す人は漢字を習っているので、それがどれほど難しいかということで互いをイジることはある。そういう意味ではホリケンのジョークは、ただのつまらないマイクロアグレッション(あからさまではない差別)的なジョークでウケもしなかった」と、日本最大のLGBTQ+向けのコミュ二ティの理事長を務める、ローレン・ファイクス氏は話す。
同氏自身は日本に20年住んでおり、日本語もペラペラだ。「彼の中には馬瓜選手は漢字が読めない(日本人じゃないから)という思い込みがあったのかもしれないが、一視聴者として見ていれば馬瓜選手はまったくそうではない、ということは明確だ。だから、彼女が番組で『外国人』として扱われたとは感じなかった。彼女もほかの選手も日本に住む日本人のように扱われていると感じた」。
ジョークがイメージにつながる危険
堀内氏の意図がどうであれ、あるいは、番組のプロデューサーがわざわざその部分をテロップにした意図が差別的なものでなかったとしても、多様なバックグラウンドを持つ視聴者の一部が、堀内氏のジョークは馬瓜選手だけでなく、見た目が日本人に見えないとしてもきちんとした教育を受け、漢字の読み書きができる人たちに対して無礼だと感じたのである(そして、実際そういう目で見られることが多々ある)。
「テレビに出る人たちは影響力という点で大きな力があり、そうしたジョークがあるグループのイメージを作ってしまう場合もある」と、南アフリカ人でNHKの気象予報士をしているツィエツィ・モナレ氏は言う。
「そうしたジョークが、私たち(アフリカ系の子孫)は日本語ができないという考えや文脈に当てはめてしまう。白人や日本人に対しては同じようなジョークは言わないのではないか。日本に生まれたなら、日本語が話せて、漢字も書けると無意識に考えるだろうから」
こうした問題含みのジョークが放置されているのは、何も日本だけではない。アメリカでも2週間前、スポーツキャスターのジャック・モリス氏がロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手に対して放送中にジョークを言った。
MLBの中でも最高の強打者だった1人であるモリス氏は、もう1人の出演者に投手が大谷選手に対してどう対策を取ればいいかを質問された際、アジア人のアクセントを明らかに真似た口調で「非常に、非常に、注意する」と生放送で言い放った。
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