「屋外ゴルフ練習場」大幅減の裏にある相続問題 未経験者がゴルフに最初に触れる場所の危機

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この実例として、東京都武蔵野市の「グリーンパークゴルフセンター」がある。もともとは、打席が2階建てで24打席の70メートルの打ちっ放しのゴルフ練習場で、現在のオーナーである岡田光史氏の父親が1972年に創業した。

1992年撮影の「グリーンパークゴルフセンター」(写真提供:岡田光史氏)

岡田氏に話を聞くと、ゴルフに対する思いが強く、ゴルフ練習場を引き継ぐという意思があり、どのように事業を継続できるか検討した。ゴルフ練習場をそのまま引き継いだのでは、相続税は最高税率となり承継は無理であるという判断だった。

収益力アップと不動産の評価減の方法としてどのような方法で建て替えるか、各種セミナーに参加したり、コンサルタントなどに相談したりして方法を検討した。

生まれ変わったゴルフ練習場

建て替えをしたのは2009年。1階がスーパーマーケットのサミットストア武蔵野緑町店で、2階、3階が駐車場になっており、4階がグリーンパークゴルフセンターになった。ゴルフ練習場は2階建ての構造で、1階12打席、2階12打席の計24打席で60ヤードの屋外型ゴルフ練習場として生まれ変わった。投資は10数億円かかったが、20年の長期スパンで償却していく計画という。

建て替え後の「グリーンパークゴルフセンター」(写真提供:岡田光史氏)

アウトドアのゴルフ練習場が相続などの問題で減少することに対して、全日本ゴルフ練習場連盟の横山雅也会長は、「連盟としても、ゴルフ練習場を継続してもらうための相続対策についての、セミナーや情報交換をこれまで以上に積極的に進めなければならないと考えている。今後の経営ビジョンが見えるようにすることのお手伝いすることが大切」と話す。

事業承継には、いろいろな選択肢があり、土地の有効利用や相続の観点からもゴルフ練習場をやめてしまうことも一つの選択肢である。ゴルフ練習場のオーナーがゴルフへの思いをもって、ゴルフの活性化には欠かせないゴルフ練習場事業を承継できることを願わずにはいられない。

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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