佐々木則夫・東芝社長--延長線上で考えずに発想変えて挑戦していく
--どこかのタイミングで、世界の需要が原発から、再生可能エネルギーにシフトする懸念は。
再生可能エネルギーのコストも実際の発電段階では高い。天候にも左右される。ですから、基幹電源は必要です。原発を再生可能エネルギーにシフトできるとは考えられない。
--政府から出ている「日本の電機メーカーは数が多すぎる」という業界大再編論を、どう思いますか。
細かい再編は起きていますし、時間が経つと大きく変わっていく可能性は十分ある。東芝がウェスチングハウスを買ったのも再編ですから、日本の中で社数が多いといってもあまり意味はない。原子力では日本に3社ありますが、3社とも別の海外企業と組んでいるので、再編すると独禁法違反になる。
結局、技術や製品ごとにビジネスに合った形でしか再編統合は起きません。社外から言われてもできない分野と、社外から言われなくてもやる分野がある。再編したくなるようなサポートを国がするのは、それはすごくすばらしいと思います。
(鈴木雅幸編集長、山田雄大 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2010年6月26日号)
ささき・のりお
1949年生まれ。早稲田大学理工学部卒、72年東芝入社。一貫して原子力事業に携わり、執行役常務兼原子力事業部長としてウェスチングハウス買収では陣頭指揮を執った。2008年取締役副社長、09年6月から現職
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