佐々木則夫・東芝社長--延長線上で考えずに発想変えて挑戦していく


 原発のような大型案件で、民間だけで競争したって負ける。だから、東芝は第2段階でやめました。ベトナムはもともと入札ではなく、潜水艦が決め手です。東芝が潜水艦を一緒に売るわけにいきませんから、こちらもショックではない。

新興国で原発を造ろうとすると、法律の制定や規制の仕方、資金面も含めた建設、運転をどうやっていくかがポイントになります。法律などの部分は政府の問題です。

資金面でもJBIC(国際協力銀行)やNEXI(日本貿易保険)など政府系機関の支援が必要です。運転のノウハウは電力会社にあります。

そうすると国、電力会社、メーカーが協力するスキームが必要です。そういう意味では、経済産業省が音頭を取って作ろうとしている原発受注会社のスキームは正しい。それでも、潜水艦や税金で補填することは日本ではできない。

これから50年まで、減らさなくてはいけないCO2の6%分を削減するのに1280基の原発が必要です。毎年32基造ることになる。受注する側が税金の面倒を見ていたら、財政赤字で立ち行かなくなる。

あまり焦らず、アメリカや中国のようなしっかりしたマーケットの中で、技術力を軸に競争すれば負けない。実際に14基も受注実績があるのは東芝だけです。

--原発は、万一の事故があると非常に大変なことになります。

リスクはあります。が、その確率を何%と考えたときにやめるかはなかなか難しい。ただし、原子力の場合は、厳しいレギュレーションや検査などチェック体制があります。日本の安全カルチャーを一緒に輸出していくことが大事です。

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