アパレル初!謎の1兆円未上場企業「SHEIN」の正体 中国発!Z世代を引きつける「理由」と「課題」は

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筆者の視点で見える「課題」とは、次の3つである。

上場に立ちふさがる「3つの壁」

【課題①】「新疆綿の使用」に関するウイグル問題

第1に、「『新疆綿の使用』に関するウイグル問題」だ。ユニクロがアメリカ向けの商品を税関で差し止められたように、ウイグル問題は欧米では深刻な人権侵害と捉えられ、対応が強化されている。

中国企業であるSHEINは多くの新疆綿を使用していると思われるが、アメリカ人の多くはSHIENがアメリカで数千億円規模のビジネスを展開していることに気づいていない。おそらく当局もまだ動いていないだろう。店舗があるわけでもなく、Z世代にデジタル上で静かに浸透している通販なので目立たないのだ。

ところが、上場するとなると話は変わる。さまざまな観点で透明性が求められるし、新疆綿の使用についても言及がなされるだろう。

したがって、ウイグル問題や米中摩擦がもう少し落ち着かないと、少なくともSHEINのアメリカでの上場は難しいのではないかと思われる。

【課題②】「意匠権」の問題

第2に、「『意匠権』の問題」だ。SHEINは企画・デザインにおいてAIやデジタルをフル活用し、毎日数千点の商品をローンチしていることはすでに述べた。

しかしながら、結果として、他社のデザインと類似した「グレーゾーンの商品」が見受けられる。ファストファッションの世界では、過去ZARAが意匠権の侵害で訴訟され、日本やイタリアで敗訴してきた歴史がある。

SHEINはアイテム数も多いので、上場に向けては対策の強化が必要ではないだろうか。

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