アパレル初!謎の1兆円未上場企業「SHEIN」の正体

中国発!Z世代を引きつける「理由」と「課題」は

コロナ禍で打撃を受けたアパレル界では苦闘の日々が続いている……。そんな中、急成長中のブランドがあります(写真:kouta/PIXTA)
コロナ禍で日本のアパレル市場が大きな打撃を受けている。特に、デジタルシフトが遅れている企業や、百貨店やショッピングセンターといったリアルチャネル頼みのアパレルは、度重なる休業要請も重なり苦しい。感染状況の収束はいまだに見通せず、苦闘の日々が続いている。
他方、中国やアメリカでは、完全な終息には至っていないものの、積極的な経済活動を再開しておりアパレル企業の業績も上向きだ。特に、感染状況が落ち着き、かつ海外旅行に行けないため内需が上向きの中国アパレル市場は好調である。
そのような中、いま中国発でアメリカを中心にグローバルで急成長している「SHEIN(シーイン)」というブランドがある。謎に包まれたスタートアップだが、セコイアキャピタルなど名立たるVCが投資し、その企業価値は150億ドルを超えるともいわれる。アパレル業界では珍しい「デカコーン」(企業価値が100億ドル[約1兆900億円]を超える巨大未上場企業)だ。
2030年アパレルの未来 日本企業が半分になる日』を上梓したコンサルタントの福田稔氏が、「アパレル初のデカコーン『SHEIN』の正体」について解説する。

「Z世代」のアメリカ人にはポピュラーな「SHEIN」

・ 世界56カ国のiOSアプリのショッピングカテゴリー部門において、ダウンロード数No1を獲得
・ ファッションECのトラフィック数において、ナイキやZARAを上回り、世界No1を獲得
・ WEBでの平均顧客滞在時間8分36秒は、全米のアパレルECの中でNo1
・業績もコロナ禍を追い風に、2020年の売り上げは前年から3倍近く伸び約7425億円にまで成長

これらを聞いた読者は、どんなファッションブランドを想像するだろうか。驚くかもしれないが、これが本記事で取り上げる「SHEIN(シーイン)」が昨年成し遂げたことである。

『2030年アパレルの未来 日本企業が半分になる日』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

SHEINは、2008年に許仰天(クリス・シュー)氏により創業された「南京希音电子商务」という会社が母体となっている。

当初はウェディング事業など、現在とは異なる事業を手掛けていたがあまりうまくいかず、事業転換を重ねてSNS経由の「D2Cアパレル事業」にシフト。2015年にSheInsideから現在のSHEINにリブランディングされ、現在の事業が本格的に立ち上がった。

SHEINは、「Z世代」のアメリカ人にはポピュラーなブランド(アプリ)である。2021年第1四半期の実績では、アメリカのショッピングアプリにおいて3番目のダウンロード数となった。

同年2月から4月にかけては一時的にダウンロードランキングでAmazonを抜いたとも話題となったが、多くの若者は「SHEINが中国企業」だとは知らずにダウンロードし利用している

SHEINは、なぜ多くのZ世代の若者を引きつけるのだろうか

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