アパレル初!謎の1兆円未上場企業「SHEIN」の正体 中国発!Z世代を引きつける「理由」と「課題」は
SHEINの特徴は、「デジタルネイティブ」のZ世代にフォーカスしたファストファッションモデルを、アプリ上で確立したことにある。
2020年の売り上げは前年比279%増の68億1200万ドル(約7425億円)にまで成長し、売り上げの約半分をアメリカで稼いでいる。アメリカだけでなく、欧州、中東、アジアと広くグローバル展開する一方、母国である中国ではほとんど知られていない。
「アイテム数」や「SNS」を駆使したアプローチで大反響
SHEINが多くのZ世代の若者を引きつける理由は、大きく分けて2つある。
第1に、毎日3000~5000点発表される新作アイテムの圧倒的な量をベースとした「UX(ユーザーエクスペリエンス)の高さ」にある。
「ウルトラファストファッション」として有名なイギリスのboohooでさえ数百種類であり、それを超える圧倒的な量を低価格で展開。アプリの完成度も非常に高く購買体験もスムーズだ。
10~20代前半が中心のユーザー満足度は高く、毎日開いてしまうアプリとなっている。まさに「デジタル上でのファストファッションの王様」である。
第2に、「SNS上での圧倒的なデジタルマーケティング」である。
2019年では、年間Instagramで3240回、Facebookで2456回、Twitterでは1936回投稿。Instagram上の公式サイトのフォロワー数は、2021年8月現在2142万フォロワーまで成長した。また、TikTokでは、2020年最も話題となったファッションブランドとして認知されている。
これらのSNS上で自ら発信するだけでなく、Addison Rae、Katy Perry, Lil Nas X,など強力なインフルエンサーと契約し、さらにKOC(Key Opinion Customer)を活用。メガインフルエンサーからナノインフルエンサーまでフル活用することで、デジタル上での「バズり」を作り、新規客を獲得しつづけている。
このように、デジタルネイティブであるZ世代にフォーカスしたアプローチにより支持されているSHEINだが、裏で支えている「独自のサプライチェーン」はさらに示唆深い。
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