「部下からの評価が低かった」自分が変われた理由 マネジャーを超えるリーダーのインテグリティ

拡大
縮小
上司からの評価は高いけれど、部下からは……。マネジャーとリーダーの違いは何なのか、答えることができますか?(写真:ふじよ/PIXTA)
戦略コンサルティング会社、カーニーの日本代表から、経営陣と取締役会人材のサーチとリーダーシップに関するアドバイザリーのラッセル・レイノルズの日本代表に転じた岸田雅裕氏は、37歳のとき、研修で「君は部下からの評価は低い」と指摘され、ショックで固まってしまったという。
INTEGRITY インテグリティ――正しく、美しい意思決定ができるリーダーの「自分軸」のつくり方』を上梓した岸田氏が、リーダーとは何か、マネジャーとリーダーの違いは何なのか、チームの力を最大化するにはどうすればよいのか、自分自身が学び、実践してきたことから説く。

「君は部下からの評価は低い」

ここでは、リーダーに求められるインテグリティ(高潔、誠実さ、真摯であること)について述べます。

『INTEGRITY インテグリティ:正しく、美しい意思決定ができるリーダーの「自分軸」のつくり方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

個人戦ではできないことも集団戦ならできます。それには組織をリードする力が必須です。ところが実を言うと私は若いころ、組織を率いるのがとても下手でした。自分が輝きたかったし、自分が優れていることを証明して誇示したかった。「自分はできる人間である」ということの証明に忙しくて、他人の評価を高める手伝いなどしていられなかった。部下や取引先を「使い倒して」いたところがあります。

しかし当時はその自覚がなく、それを思い知らされたのは、プロジェクト・マネジャーという立場になったときに受けた研修でした。研修の前に、会社は私と一緒に働いている人たちからアセスメントと呼ばれるアンケートを取っており、その結果は研修の初日に私に伝えられました。

当時の私は37歳。コンサルティング会社ではMBA修了者が入社するのは20代後半が普通なのですが、私はコンサルタントを志したのが遅かったので、すでにその年齢になっていました。

アセスメントの結果は、非常にショッキングなものでした。私は上司であるパートナーからの評価はわりと高くて、研修を受ける人たちの中でも上位4分の1に入っている。しかし若い人たち、部下からの評価が低くて、下のほうの4分の1に入っているという。つまり上からは高く評価されているが、下からの評価が低いという結果だったのです。

次ページ部下からは〝一緒に働くと息が詰まる〟と言われて…
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT