「部下からの評価が低かった」自分が変われた理由 マネジャーを超えるリーダーのインテグリティ

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私たちがシェアしたらクライアントにとってはもっと大きな利益になる。そして「the more we finally benefitted」、私たちに最後にその利益が返される。

こういう順番だから、クライアントをシェアしようと話したのです。

情報、人脈を共有することが大切

まずは情報を共有することにしました。四半期に一回、シニアメンバーそれぞれに、自分の担当しているクライアントにはどういう課題があって、どういうテーマのコンサルティングをして、競合状況はどうで、カーニーはどういうポジションにいて、ということをきちんと説明してもらいます。

当時、グローバルのリーダーたちから「日本はブラックボックスだ」と言われていたので、各シニアから説明してもらうのはちょうどいい情報共有になります。さすがにみんなの前で質問されたら答えなければいけないから、いろいろなことがどんどん透明になっていきます。

たとえば、そのクライアントはコンサルタントに全体でいくら使っていて、競合はどこで、テーマは何で、カーニーはどこのポジションで、カーニーが競合に勝とうと思ったら何をしたらいいかを説明してもらいました。相当うっとうしがられたと思います。

まずは何をしているかをお互いに知ることで仕事をシェアしやすくする。それだけでなく、情報を共有することで、共通の知人を発見することも期待していたのです。

■情報共有はよいことと信じられるか

「ああ、あの人、私知ってるよ」とか、「あの人なら高校の先輩ですよ」ということがあるかもしれないでしょう。

コンサルタントの仕事では、誰を知っているかは重要なことです。「この人は知り合いだ」ということは少なくない。でも情報を共有しなければ知らないまま、その仕事は、どこかよそへ行ってしまったかもしれないのです。

だから、シニアメンバーのそれぞれが責任を持つクライアント企業の社長や役員の名前を書いてもらって、「知っている」「仲がよい」「カーニーのファンである」「他社のファンである」というように全部マークを付けていった。

このような徹底した情報公開は、自分の状況を他人と共有することはよいことなのだと信じていないとできないことです。

同じファームの誰かを紹介して、もしその人が自分より優秀と思われれば、その人に仕事が行くのではないかと思うのは自然なことかもしれません。けれども、その葛藤を克服しない限り、カーニーが取れなかった仕事を取っていくのは競合のBCG(ボストン コンサルティング グループ)だったり、マッキンゼーだったりするのです。

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