「部下からの評価が低かった」自分が変われた理由 マネジャーを超えるリーダーのインテグリティ

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「あなたは上司からは〝信頼できる、任せておけばいい〟と書かれている。しかし部下からは、〝一緒に働くと息が詰まる〟と言われています」

リーダーとマネジャーは違う

さらに追い打ちをかけるように、こうも言われました。

「あなたがリーダーを務めていたら、チームの能力はあなたの能力以上には発揮されません。うちの会社にはあなたぐらいの能力の人は、掃いて捨てるほど入ってきます。あなたの能力でチームのパフォーマンスの上限を設定されるのは、わが社にとって損失です」

そして、「これからリーダーであるとはどういうことか、この1週間一緒に学びましょう」と言われましたが、「自分の評価はそれほど低いのか」とショックで固まってしまいました。もし私がリーダーシップという点で少しでも変われたのだとしたら、この研修が契機だったと思います。

この研修で学んだのが、リーダーはマネジャーではないということです。「リーダーとマネジャーは違う。きみはマネージしているだけだ」とさんざん言われ続けました。

このとき私はようやく、自分以外の人の力を最大に発揮してもらうことで、成果が足し算ではなく掛け算になるということに気づいたのです。

■個人プレーではよい仕事、大きな仕事はできない

この経験があったので、私が2014年にカーニーの日本の代表者になったときも、チームの力を高めていこうと思いました。産業を、社会をよりよく変えていきたいという思いをクライアントと共有する。そして、それを実現していくためには、チームとしての力を最大限に発揮しなければなりません。カーニー自体も変革が必要でした。

当時の東京オフィスは、個々のコンサルタントの力量は非常に高いけれども、オフィスとしてはその集まった能力を最高には発揮できていないのではないかと気づきました。

たとえば自分がそれまでプロジェクトに取り組んでいた会社で、新しいプロジェクトのコンペをすることになった。しかしそれは自分が得意なテーマではないテーマだとする。そんなときもほかのメンバーに声をかけていないのではないか。

彼らは自分がクライアントを独り占めしているつもりはなかったかもしれません。もともと先輩たちがそういう仕事のやり方をしてきているのを見習っているだけかもしれない。ともかく、これからは仲間と仕事を共有してもらうことにしました。

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