横浜市長選、菅首相を襲った「最側近惨敗」の痛撃

自民総裁選先行論が支配的、「9月解散」は困難に

横浜市長選で勝利し、祝福を受ける山中竹春氏(右から2人目)(写真:時事)

東京に次ぐ巨大都市・横浜の市長選結果が、全国的なコロナ感染爆発で苦闘が続く菅義偉首相を痛撃した。自らの地元での与野党対決型となった同市長選で、出馬した側近を全面支援したのに、事前の想定を超えて野党候補に惨敗したからだ。

2020年9月の菅政権発足以来、4月の衆参補欠・再選挙や7月の東京都議選など、与野党対決型の重要選挙はほとんど自民が敗北。今回横浜市長選でも惨敗したことで、迫りくる衆院選に向け、自民党内の「菅首相では戦えない」との声を拡大させている。

菅首相が全面支援の揚げ句の「惨敗」

東京五輪後も続く全国的なコロナ感染爆発で、多くの調査で内閣支持率は政権維持の危険水域とされる「30%割れ」が相次ぐ。秋の政局の起点ともなるパラリンピック閉幕後の9月12日まで緊急事態宣言が延長され、自民党総裁選先行論が台頭する中、自民党内の「菅降ろし」が顕在化すれば、菅首相の再選戦略も破綻しかねない。

カジノを軸とする統合型リゾート(IR)横浜港誘致の可否が主な争点となった横浜市長選(8日告示)は22日投開票され、誘致反対を旗印に立憲民主党など主要野党が支援した山中竹春・元横浜市大教授(48)が、小此木八郎前国家公安委員長(56)に18万票を超える大差をつけて初当選した。

小此木氏は菅首相の最側近。保守分裂となった地方首長選にもかかわらず、菅首相が小此木氏の全面支援を表明した揚げ句の惨敗だった。メディア各社の出口調査をみても、最大の敗因は「横浜での菅首相の不人気」(自民市連)であったことは否定できない。

政局にも直結しかねない大型地方選とあって、今回は各メディアの取材も過熱し、それぞれ期日前投票と投票日当日の出口調査を実施。テレビ各社などは投票終了後の午後8時に一斉に「山中氏当確」を速報した。

これを予測したのか、菅首相は22日夕刻から議員宿舎にこもり、小此木氏へメールする以外、沈黙を続けた。菅首相は、選挙戦終盤まで地元有力者などに直接電話で小此木氏の支持を要請したとされ、事前に報告される出口調査結果に「こんなはずではなかったのに」と自責の念を強くしたのは間違いなさそうだ。

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