クック体制でアップルの均衡崩れつつある 『沈みゆく帝国』著者、ケイン岩谷氏に聞く(後編)

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――約200人の関係者に取材したとあります。

意識的に200人と会おうと決めていたわけではなかったが、結果的にそうなった。台湾だけでも1日5人会い、10日間滞在したので、50人に取材した。いきなりよそ者がやってきて話を聞くのは難しいので、前から持っていた情報ソースやお世話になっていた人を頼り、紹介してもらい、効率的に取材することができた。

ソフトバンクに興味がある

――アップルの内部関係者をつかまえるのは、難しいと思われます。

正面からのインタビューは難しいと思っていたので、裏の方から試みた。(クック体制以降)辞め始める人が増えたので、話を聞ける人が増えたのはチャンスだった。

――今後の身の振り方は?日本で面白いと思う企業はありますか?

個人で書籍執筆に専念していきたい。日本で面白いと思うのはソフトバンクだ。ソフトバンクはシリコンバレーにオフィスを作り、米国で果敢にテレコム会社を買収しようとしている。日本は優秀な技術者や技術があるのに、英語が壁になっていて、世界に出て行けない傾向がある。その中で、ソフトバンクは会社まるごと米国に移してしまう思い切りさが良いと思う。何人かソフトバンクの社員の人も知っていて戸惑いの声もあるようだが、そこを踏み切ってしまうのが、さすが孫(正義社長)さんだ。=文中敬称略=

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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