バレー柳田将洋が実践「勝負所で緊張しない」コツ 日本代表前主将のプレッシャーを力にする思考

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

バレーボール日本代表には試合で緊張するような選手は一人もいません。試合になったら「打つ」選手ばかり。五輪代表に選ばれた石川祐希選手や西田有志選手もそうですが、いい場面だとより思いきり打てます。

そういう選手は練習から試合さながらに決めにいっているし、「俺が決める」という気持ちがすごく強い。ここで大事なのは、「入る、入らない」ではなく、「緊張するか、しないか」です。

僕が日本代表に選出されて2年目、2014年の仁川アジア大会決勝のイラン戦は、僕のサーブで負けました。しかも、ピンチサーバーで出て。セットカウント1-2の4セット目。19対24という場面でした。思いきりサーブを打ったのですが、ネットにかかってしまい、日本は優勝を逃してしまいました。それでも、「思いきり打ったし」としか思いませんでした。サーブは入りませんでしたが、それを責められてもどうしようもないですしね。

もし周囲が、敗戦を1本のサーブのせいにしていたら間違っていますし、そう言われても腑に落ちません。「お前のせいで負けた」と言われていたら、「誰かのせいにするチームなんだ」と残念に思いますし、そういう組織にいるべきではないと思ってしまいます。もし言われても、「あー、そうですねー、すいませーん」と言いながら別のことを考えています。

全力を尽くしたのなら、他人の評価は受け流していい

代表チームでは、ミスを責めるどころか、「よく打ったね」と言ってくれます。ただ、それもそれで真に受けません。言いたいことは、自分が全力を尽くしたのであれば、他人の評価は受け流してもいいと思うのです。

『努力の習慣化』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

また、僕は緊張しないと言いましたが、高揚しすぎて身体がうまく動かないことはたまにあります。自分の感覚では50から60パーセントの高揚度だと身体も動くし、頭も回ります。外国人選手だと興奮することでものすごくパワーが出て高く跳べる選手もいるんですが、僕の場合はそうではありません。

絶対勝ちたい試合だと興奮しても、試合前には高揚しすぎないようにします。もちろん、試合中にシャウトしますし、ファイトもしますが、感情や感覚に身を任せてはいけません。いわゆる「いい緊張感」を求めます。セルフコントロールは、つねに試行錯誤しています。

まとめると、置かれた環境を受け入れること、楽しもうとしてみることはとても大事です。思いきってパフォーマンスすること、そのために自分をコントロールすることも大事だと思います。そして、思いっきりやったのであれば結果やまわりの声は気にしない、聞き流していい。それくらいの気持ちで楽しむことです。

柳田 将洋 プロバレーボール選手

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やなぎだ まさひろ / Masahiro Yanagida

1992年東京都生まれ。バレーボール選手。両親の影響でバレーボールを始める。2010年、東洋高等学校在学中に、第41回全国高等学校バレーボール選抜優勝大会に主将として出場して優勝を果たし、2011年、慶應義塾大学環境情報学部に進学、2013年、全日本メンバーに登録。大学卒業後はVプレミアリーグ・サントリーサンバーズに入団。その後、ドイツ、ポーランドのチームを経て、2020年、サントリーサンバーズに復帰。2020-21 V.LEAGUE DIVISION1では、同チームの14シーズンぶり8度目の優勝に貢献し、自身もベスト6を受賞した。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事