バレー柳田将洋が実践「勝負所で緊張しない」コツ 日本代表前主将のプレッシャーを力にする思考

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フランクフルトは上位を狙うチームでしたので、チーム内のポジション争いも激しくて、練習で信頼を得られないとあっさりとコートに立てなくなります。練習中に一度体調を崩したことがあったのですが、試合当日には問題なかったにもかかわらず、週末の試合には出られませんでした。

今度は代わりに出た選手からポジションを取り返さなくてはならなくなり、その選手の調子が悪いときに僕が練習で結果を出さないといけなくなりました。結果を出して、 コートに立ち続けることには、大きな緊張感がありました。選手でいる限りコートに立ちたくない人はいませんから、いつでもプレッシャーはあります。

それでも、海外で練習中から大きなプレッシャーを感じられたことで、日々小さな結果を積み重ねることがあってこその試合だと考えられるようになりました。海外に行くまでおろそかにしていたわけではありませんが、「毎日が勝負」という気持ちを持ち続けることが、自分を成長させてくれたと思います。

全力を尽くして楽しむと、緊張する余裕がなくなる

また、自分で選択した環境であれば、たとえ苦しくてもその環境を楽しめるように取り組んでいかなければいけません。全力を尽くせば、他人が入るスキはありませんし、楽しむと「緊張する余裕」はなくなります。

「サーブを打つ時に緊張するんですか?」とよく聞かれますが、緊張してしまえば、 サーブをミスしたり、それ以前にプレーが縮こまったりしてしまいます。僕はあまり緊張しないタイプなのですが、結局、サーブひとつ取っても楽しむしかないのです。

「どんなプレーをしたいか」に集中していたら、緊張する余裕がなくなっていました。「点を取りたい」とか「サーブを打つのが楽しい」という気持ちが先にくる。好きなこと、やりたいことで緊張してしまうと悩んでいる人は、まだ本当の楽しさを知らないのかもしれません。僕は人前で喋るのは苦手なので、講演などの前には緊張しますから。

高校生からの相談でも、「練習では打てるのに試合になるとうまく打てません。どうしたらよいですか」と聞かれることがあります。なぜ、練習と試合で分けてしまうのでしょうか。

試合でできないということは、練習のための練習になっているということ。練習は何のためにするかといえば試合で勝つため、点を取るため、いいサーブを打つためなどであって、そのゴールから逆算できていない。目標を見失っているから緊張する、というのも理由のひとつとしてあると思います。

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