益子直美さんがミズノの大会に違和感を抱く訳

「怒ってはいけない」同じ大会名でもこうも違う

元バレーボール日本代表の益子直美さんがミズノの大会に釈然としない思いを抱える理由とは(写真:アスファルト スタンコヴィッチ / PIXTA)

女子バレーボール元日本代表の益子直美さん(54)が4月22日、『一般社団法人 監督が怒ってはいけない大会』を設立し、代表理事に就任した。

小学生が参加するバレーボール大会「監督が怒ってはいけない大会 益子直美カップ」を2015年から開始。以後、6年間に10回開催してきた。

スポーツ界は、指導現場における暴力やパワハラの根絶に苦慮している。そうした中にあって、「怒ってはいけない大会」は元トップアスリートによる真摯な取り組みとして、業界内でも一目置かれる大会だ。

当初発表された大会の概要(大会サイトより)

そんななか、国内スポーツメーカーの老舗であるミズノが3月23日、小学生向けの「ミズノ ベースボールドリームカップ ジュニアトーナメント『絶対に怒ってはいけない』野球大会」の開催を発表した。同社ダイヤモンドスポーツ事業部によると、これまで社会人の草野球大会を主催してきたが、今年初めてターゲットを小学生に移したという。

一見同じ「怒ってはいけない」という名称だが、これはスポーツの暴力根絶に取り組む益子さん関連の大会なのか――。当初、大会ホームページの「大会理念」に「絶対に怒ってはいけない」の表記があったものの、契約選手による大会メッセージ動画では、誰ひとり「監督は怒ってはいけない」と呼びかけてもいない。どうにも違和感を覚え、益子さんサイドに問い合わせると、ミズノから事前の相談や連絡はなかったという。

大会名はその後、差し替えられたが…

4月に入って、ミズノから益子さんへ「企画段階で益子カップの存在を認識していたものの、連絡確認を怠った」と謝罪があった。そのとき、新しい大会名はあらためて打診するとも伝えられたが、その後益子さんサイドに連絡もないまま、「みんな笑顔で楽しもう ミスを怒らず、みんなで助け合う野球大会」の大会名に差し替えられていた。

益子さんは「当初は同じ思いでなさっているかもしれないので、仲間が増えるのはいいことだと思ったけれど、私たちのやり方とかなり違う印象です」と憤りを隠せない。

なぜ益子さんが釈然としない気持ちになるのか。そこには大会名を模倣されたというだけではない深い理由があった。

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